「グルコサミン」「コンドロイチン」は無意味? ひざ関節痛の最新治療法とは
症状が進行すると…
ひざや股関節の“普段と違う感じ”をゆめゆめ侮ってはならない。ひざ関節も股関節も「変形性関節症」の初期症状としては、階段の上り下りで違和感を覚えたり、歩行中やランニング中に軽い痛みを感じたりする程度で、中には痛みに無自覚な人もいるという。しかし、症状が悪化すれば、安静時にも痛みがとれず、そのうち歩けなくなるほどの激痛に見舞われる。
軟骨がすり減り、関節の骨と骨の隙間が狭くなった状態は、レントゲンで簡単に確認できる。その後、関節の骨の端々に「骨棘(こっきょく)」という「骨のとげ」が出現するようになる。関節に面する骨が白く濃く見えてくる頃には、多くの患者が痛みを訴えているだろう。
症状が進行すると、関節の骨同士が直接ぶつかって削れる。そうなると激しい痛みを引き起こすだけでなく、ひざは腫れ、水がたまる。さらに骨の変形が進めば、極端なO脚(内反膝)になったり、関節の可動域が著しく制限され、正座やしゃがむような動作さえできなくなる。やがてはADL(日常生活動作)に支障をきたし、QOL(生活の質)にも多大な影響を及ぼすというわけだ。
何がそもそもの原因なのだろうか――。
「同じく関節が変形して痛む病気でも、免疫系の疾患である『関節リウマチ』などとは違って、『変形性関節症』の一番大きな原因は加齢です」
そう、歳のせいなのだ。
「そのほか、怪我や過体重(太りすぎ)なども原因になりますが、人生100年時代といわれて高齢者が増える中、患者さんの数は増加傾向にあります。とくに『変形性ひざ関節症』は毎年、全国で約190万人が新たに発症しているといわれています」
もはや“現代の国民病”とも言うべき疾患である。
加齢とともに進行し、ジワジワと症状が重くなっていく「変形性関節症」。一度傷ついたり、すり減ってしまったりした軟骨は、二度と再生しない。
ちなみにグルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントを飲んでも、残念ながら、傷ついた軟骨が元通りになることはないという。
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