アマボクシングがメダルラッシュ なぜ急激に強くなった?
ボクシング男子の世界選手権がセルビアで行われ、バンタム級の坪井智也(25)とウェルター級の岡澤セオン(25)が金メダルを獲得した。日本人初の快挙である。
【写真3枚】五輪の決勝でフィリピン選手と打ち合う「入江聖奈」
スポーツライターが語る。
「優勝賞金1100万円超。五輪直後ながら、金目当てに世界の強豪が参加するハイレベルな大会でした」
東京五輪でも女子フェザー級で入江聖奈(21)が日本人女性初の金メダルに輝いた。アマの主要2大会で男女合計金三つ。五輪では男子フライ級の田中亮明(28)と女子フライ級の並木月海(23)も銅を獲得。底上げしているのは間違いない。
日本アマボクシングはなぜ急に強くなったのか。
「特にこれといった強化策は打ち出していませんが」
と先のライターは首を捻りながら、
「変わったのは山根明会長が消えたことくらいかな」
まるで仁侠映画から飛び出してきたかのような風貌と言動で世間を驚かせた山根氏が、長年君臨した日本ボクシング連盟の会長職を辞したのは2018年のこと。かの「奈良判定」という言葉はこの年の新語・流行語大賞にノミネートされ、トップテンに入選した。
「山根氏ゆかりの奈良の選手を贔屓した判定のことですね。選手は試合後にリング上から“会長のおかげで勝てました。有難うございました!”と叫び、彼に深々と一礼することを強いられたり……。そんな悪習に嫌気が差してこの世界を去った逸材も少なくない」