鈴木もぐら、粗品、岡野陽一…クズっぷりアピール「ギャンブル芸人」急増のウラ
人気の“クズ芸人”
ピン芸人の岡野陽一(39)は、パチンコや競馬で借金が1000万円以上。ザ・マミィの酒井貴士(30)も、タバコ、酒、ギャンブル、女性好きを公言して借金は約300万円。相席スタートの山添寛(36)は競艇にハマり、相方の山崎ケイ(39)から約190万円の借金をしていると明かしたことがある。
民放キー局でバラエティ番組の制作に携わるスタッフは、「ギャンブルが好きな芸人さんと、いわゆるクズ芸人は分けて考える必要があります」と言う。
「競馬を愛する芸人は昔も今もたくさんいます。爆笑問題の田中裕二さん(56)、麒麟の川島明さん(42)、ナイツの土屋伸之さん(43)、千鳥のノブ(41)、カンニング竹山さん(50)など枚挙に暇がありません。ただ、こちらには破滅型、クズ芸人というイメージは全くありません」
芸人がギャンブルで身を持ち崩すことが“勲章”だった時代があった。だが、“ビッグ3”は非常にスマートな芸風だ。戦前・戦後の芸人とは違う魅力を持っていた。
視聴者の意識を変えた「意外な2人」
ビートたけしや明石家さんまは演技でも人気を集めた。特にさんまは、恋愛ドラマでも主役を担った。従来の芸人では考えられないことだった。
たけしとタモリは歌もこなす。タモリはトランペットを吹き、博学で知的なところも視聴者に評価された。たけしが数学の難問に挑戦する「たけしのコマ大数学科」(フジテレビ系列・2006~13)をご記憶の方も多いだろう。
それでも、やっぱりギャンブルで借金を抱える破天荒な芸人は面白い──視聴者の意識を変えたのは、意外にも最初は芸人ではなかったとスタッフは指摘する。
「ギャンブル芸人が再び脚光を浴びるきっかけを作ったのは、蛭子能収さん(74)ではないでしょうか。競艇を筆頭に、博打が大好きでした。あの明るい不思議なキャラクターで、ギャンブルが大好きというギャップが、視聴者の高い関心を集めたのだと思います」
予備校「東進ハイスクール」の講師として人気を獲得し、今はタレントとしても活躍する林修(56)も大きな影響を与えたという。
「東大法学部を卒業し、日本長期信用銀行に入行しながら、僅か5カ月で退社。その後、株取引とギャンブルの失敗で約1800万円の借金を抱えたエピソードは有名です。芸人も顔負けの破天荒な人生は、視聴者の人気を獲得するのに充分でした」(同・スタッフ)
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