鏡には映らない「ポーラレディ」の「女工哀史」 20年間で約7000万円分の商品を自腹買い取り

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ポーラレディを提訴

 結局、一宮での20年間で約7000万円分の商品を自腹で買い取ったという。

「一宮に移って10年ほどで、傘下に3人の所長を抱える母体長という立場になりました。うち一人が月150万円のノルマをなかなか達成できなかった。実は、私の7000万円分の買い取りの半分近くは彼女のノルマの不足分を補ったものでした」

 その所長は売上からポーラに納めるべき65%の精算金を150万円も滞納する有り様で、母体長として注意すると逆ギレされた。挙げ句、パワハラ被害を会社に訴えられ、彼女はクビを宣告される。

「買い取り強要に抗議していたので、所長とのトラブルを利用した体のいい口封じではないかと……。でも、私にはクレジット会社への多額の支払いが残っていました。やむなく自宅に山積みの商品をポーラに送り返し、代わりに2250万円ほどの精算金を納めなかった。70歳近い私が生活していく術はそれしかありませんでした……」

 しかし、ポーラはただちに精算金の支払いなどを求めて彼女を提訴し、なおかつ、19年夏には、岐阜にある自宅の仮差押えという手段を講じたのだ。半生を捧げた果てに残酷な仕打ちを受けたポーラレディ。美を追求する企業の美しくない一面と言えまいか。

週刊新潮」2019年9月12日号「MONEY」欄の有料版では、ポーラレディの知られざる実態を詳報する。

週刊新潮 2019年9月12日号掲載

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