「細木数子さん」が制作会社に突き付けた無理難題 国税まで動いてテレビも呆然自失
BPOは問題視、各局の答えは
半面、テレビ界のご意見番であるBPO(放送倫理・番組向上機構)の青少年委員会は早くから細木さんの番組を問題視していた。各局に厳しい質問をしている。
――占い師(細木さん)の発言は、「占い」を根拠としたものか否か?(BPO、2005年10月)
「細木さんには、世事に対する経験を生かしてコメントをしていただくことで希望と勇気をもってもらいたい、という番組の企画意図に基づいてご出演いただいております」(フジ「幸せって何だっけ」)
占いは科学的裏付けがないので、「占いを根拠にしている」とは答えにくいのだ。
BPOはTBS「ズバリ言うわよ!」にも同じ質問をした。TBSの答えはこうだった。
「この番組は細木氏が日本各地で開いてきた勉強会(悩み相談)の経験がベースになっており、細木氏による『占い』ではなく、その勉強会で培った『人生観』が発言、番組主旨の根拠になっております。したがって、『占い』により番組を構成、進行しているものではございません」(TBS「ズバリ言うわよ!」)
両局とも苦しい返答だ。2つの番組に占いが混じっていたのは誰の目にも明らかだった。むしろ、それが売り物だったと言ってもいい。
BPOは視聴者の意見も当該のテレビ局に送り、同時に公表している。うち、今年7月分の占いに関する意見は次の通り。重い内容である。
「番組全編を通じて、占いという非科学的なものを非常に好意的に、かつ権威あるものとして扱っており、視聴者が信じ込んでしまうような演出になっている。かつてカルト教団を好意的に扱い信者の獲得に寄与してしまった過去を繰り返す萌芽になりうると考える」(BPOに寄せられた視聴者の意見)
テレビ界の申し子だった細木さんの他界をきっかけに、テレビ界と占いの在り方をあらためて考えるべきではないか。
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