「細木数子さん」が制作会社に突き付けた無理難題 国税まで動いてテレビも呆然自失

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「美術費」の名目で…

 番組制作会社は困った。無茶な要求であり、突っぱねたいが、細木さんを怒らせるわけにはいかない。もし番組を降りられたら、テレビ局やスポンサーに甚大な迷惑がかかってしまう。もちろん自社の収益にも大きく関わる。やむなく新築費の一部を制作費の名目で捻出することした。

「細木さんの家で番組を収録することもあったので、美術費名目と捉えた」(当時のスタッフ)

 もちろん、テレビ界にこんな前例はなく、苦肉の策だった。

 話はこれで終わらない。東京国税局が見逃さなかったからだ。個人宅の新築費を制作費と認めるほど東京国税局は甘くない。たちまち番組制作会社に税務調査が入った。

 番組制作会社には法人税逃れなどの悪意はなかったので、ペナルティこそ受けなかったものの、東京国税庁から修正申告を課される。新築費は制作費として処理するなということだ。修正申告をしたい会社など存在しないし、そもそも発端は細木さんの無茶な要求だったから、番組制作会社は怒り心頭となる。

 細木さんの没後、豪快だった金使いや気前の良さが情報番組などで盛んに報じられている。しかし、実際のところはどうなのだろう。少なくとも泣かされた人たちがいるのは確かだ。

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