韓国・慰安婦像前のデモ再開で「被害者に公式謝罪をしろ!」 法律違反の反日団体の取り締まりに警察が及び腰なワケ
1年4か月ぶりのリアルデモ
韓国では、新型コロナワクチン接種完了率が全国民の80%近くに達した。18歳以上の成人に限れば90%を記録。政府も11月1日から「段階的な日常生活回復」フェイズに歩を進めだし、ウィズコロナの第1段階としてイベントが開催できるように。そこで早速再開されたのが、日本大使館前の慰安婦像周辺での集会だったのだ――現地在住・羽田真代氏のレポート。
【写真】韓国版「仁義なき戦い」…定位置に戻ってきた「慰安婦デモ」はこれまでと様相が異なっていた
日本でもよく知られる「水曜集会」、つまり、「自らを従軍慰安婦であったと主張する女性らとその支援者たちが、日本政府からの公式謝罪および法的補償を要求するための集会」が再開されたのは11月3日のことだった。
「被害者に公式謝罪をしろ! 謝罪しろ! 謝罪しろ!」
慰安婦像の周辺では、コロナ禍では鳴りを潜めていた日本に対する怒りの声が久々に響き渡った。集まったのは70人余。2020年夏からはオンラインで行われ、1年4か月ぶりの「凱旋」だっただけに支援者の喜びもひとしおだったようだ。参加者らはQRコードで身元を確認、デモ参加中はソーシャル・ディスタンスを徹底するなど、感染対策には余念がない様子だ。
保守系団体「自由連帯」が一番乗りだったが
水曜集会の参加者は「現地でもオンラインでも水曜集会の持つ意味は同じだが、実際に仲間たちに会った方がより結束力が深まる。これからも感染対策を行いながら現地で開催したい」とメディアのインタビューに答えていた。今後、政府が新型コロナウイルス対策の規制を強化しない限り、コロナ禍以前のように現地での開催が続くことだろう。
しかしこの日、水曜集会を取りまとめる「正義記憶連帯(正義連)」がデモを行ったのはいつもの慰安婦像前ではなく、そこから10メートルほど離れた場所においてだった。なぜか?
水曜集会の開催に反対する保守系団体「自由連帯」が、「正義連」よりも先に慰安婦像前でのデモ開催を警察に届け出ていたからだ。
韓国の「集会およびデモに関する法」によると、「集会を開催するためには、主催者側は720時間(30日)前から48時間(2日)前の間に管轄の警察署に開催申請書を提出しなければならない」とある。
「自由連帯」は管轄する警察署の前で夜通し待機し、法にのっとってデモの場所(慰安婦像の左右の歩道と車道1車線の11月分・24時間の集会開催)を確保していた。
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