茂木新幹事長のパワハラ伝説 担当者の間で共有される20ページ超の「接遇リスト」の中身は

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恐怖のトリセツ

 精神科医の片田珠美氏が解説する。

「直観像素質は以前に一度見たことのある事物が明瞭に再現されて、あたかも実際に存在するように眼前に見える特殊な才能を指します。成人の場合、1万人に1人の割合で見られ、天才肌もしくは自閉症患者に多く見られます。レオナルド・ダ・ヴィンチもそうだったといわれているので、茂木さんは非常に類まれな素質をお持ちです。それゆえ、自分と同じような完璧さを官僚や政治家などの他者に求めてしまうのかもしれません」

 天才肌だからか、偏執的なこだわりもある。最もよく知られるのは、経産大臣時代、海外に出張する茂木氏に官僚がどう接するべきかを担当者が記した〈接遇リスト〉の存在である。

 そこには大要、こうある。

〈嫌いな食べ物は煮物全般、酢の物、ゴマ豆腐〉

〈コーラは可能な限りコカ・コーラゼロ〉

〈栄養ドリンクとして、メガシャキ、葛根湯ドリンク、ユンケルの3本セットを日本から持参〉

〈麺類を注文した際にのびないようにちょうどよいタイミングで提供する。以前、冷麺ができてから、提供まで20分ずれて麺がかたくなり大臣が大激怒〉

〈以前国内出張でトラブルになった日本航空は極力避ける〉

 こんなことが20ページ以上にわたりびっしりと書かれたそれは、まさに「恐怖のトリセツ」である。

 経産省関係者が言う。

「有名なのは茂木大臣が出張した13年のインドネシアでのトラブルでしょう。茂木さんは当時、ラフな格好で飛行機に乗り込み、スーツは別途、持ってこさせていたのですが、現地に着くとお気に入りのスーツではなかったために激怒してしまった。そこで経産省職員がわざわざ東京から飛行機に乗り、別のスーツを届けました。そのことは接遇リストにも注意事項として書かれています」

 19年に外務大臣になってからは、

「本人も多少優しくなり、官僚への対応もマイルドになったものの、大臣が廊下を歩くときは注意が必要です。職員が誘導のために茂木さんの視界に入ると怒るんです。視界に入らずに一歩下がって誘導するのはなかなかテクニックがいるので、習得するにはそれ相応の時間がかかります」(外務省関係者)

週刊新潮 2021年11月18日号掲載

特集「総理候補の資質は? 新幹事長『茂木敏充』の珍『超人』伝説」より

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