京大には「最速152キロ」投手が登場 東大、和歌山大…国立大が“プロ予備軍”相手に善戦中!

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特徴的な“ノーサイン野球”

 一方、和歌山大(近畿学生野球連盟)は、近年の全国大会で見事な戦いぶりを見せている。17年には全日本大学野球選手権に初出場を果たすと、岡山商科大の近藤弘樹(ヤクルト)、蔵本治孝(元ヤクルト)を攻略して、準々決勝に進出した。4年ぶり2回目の出場となった今年の大会では、初戦で九州産業大を延長10回タイブレークのすえ5対4で破った。続く2回戦では優勝した慶応大に2対4で敗れるも、終盤まで接戦を演じている。

 和歌山大には、駒大苫小牧や創志学園、佐久長聖といった甲子園常連校出身の選手がいるが、高校時代は主力ではなく、大学入学後に力をつけているケースが多い。また、選手の自主性と考える力を重視して監督がサインを出さない“ノーサイン野球”というのも非常に特徴的だ。

 他にも、今年の秋のリーグ戦では、神戸大(近畿学生野球)と静岡大(静岡学生野球)がそれぞれ優勝を果たし、強豪大学と互角以上に渡り合っている。近年は、情報の多様化が進んだことで、学業と野球を両立させながらレベルアップしたいという選手も多く、そのニーズにマッチした国立大学が増えている。これまでに全国大会で優勝した国立大学は、1987年の明治神宮大会を制した筑波大のみだが、今後、全国の舞台で躍進する国立大学が出てきそうだ。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

2021年11月16日掲載

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