フィリピン副大統領が「選挙で票の売買はOK」と発言 パッキャオも既に1人1000ペソ配った?

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「釣り針でなく餌をとれ」

 2001年、不正蓄財疑惑で退任に追い込まれたジョセフ・エストラーダ大統領はかつて、

「どの候補者からお金を受け取っても投票用紙にはエストラーダと私の名前を記入すればいい」

 と呼びかけた。彼自身が現金を配ったわけではないが、映画俳優出身の彼らしい言葉として、いまもフィリピン国民の記憶に残っているという。もうひとつ、マルコス独裁政権を倒した1986年のエドサ革命の際に中心的役割を担った故ハイメ・シン枢機卿が票買収について述べた、

「釣り針でなく餌をとれ」

 というアドバイスも有名だ。国民の精神的指導者でもあったカトリック教会のハイメ枢機卿がいわんとしていることは“投票を求める釣り針に引っかかることなく、そこにぶら下がっている餌、つまりお金だけを取ればいい”ということである。今回のレニー副大統領の呼び掛けにも通じるものがある。

大塚智彦(フリーランスライター)

デイリー新潮編集部

2021年11月15日掲載

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