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補助金をため込む医師会

 また、政府が「骨格」のなかで示した「幽霊病床の解消」について、

「幽霊病床ができたのは、多額の補助金が、日本医師会に所属する民間病院に計上されたのが一因です」

 と、東京脳神経センター整形外科・脊椎外科部長の川口浩医師。医師会は補助金が出るように促し、受け入れ能力がないまませしめている、というのだ。

「軽症の患者だけ受け入れ、“コロナ病床”の要件を満たしている民間の病院も多いですが、民間病院に求められていたのは、中等症患者の受け入れです。現に5波では、自宅療養を強いられた中等症患者が命を落とす不幸なケースもあったのに、そういう病院は、人材がいないのを理由に軽症者しか受け入れません。そして、軽症者でも受け入れていれば、幽霊病床には数えられませんが、そういう病院が補助金を受け取り、限りある財源がそこに割かれているのが現状です」

 そして、それ以外に、

「受け入れる能力がないのに、“コロナ病床”にカウントされている幽霊病床も、かなりあると思う。そもそも、そういう病院には診られる人がいないのですから、岸田総理がいくら叫んでも、幽霊病床の改善にはつながりません」

 さりとて、民間の力を借りないわけにはいかない。

「医師会は“幽霊病床”という言葉に反論していますが、重症患者は公的病院が受け入れています。自宅療養では救えない中等症患者を、民間が受け入れるようになれば、公的病院の負担はだいぶ軽くなります」

 受け入れ能力がある民間医療機関をあぶり出し、中等症患者の受け入れを依頼する。漠然と病床の確保をめざすのではなく、ターゲットを絞った策が必要だというわけだ。

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