「今冬はインフルが猛威」は本当か インド、バングラデシュで大流行

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 寄せては返すのが波なら、いずれ第6波は寄せ来るのだろう。今度こそ備えに不足があってはいけない。だが、同時にインフルエンザが猛威を振るうなんて取り沙汰されているので――。その可能性やいかに。そして諸々の備えは十分なのか。ここに総点検したい。

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 東京や大阪でも、飲食店への時短要請がほぼ解除されて3週間ほど。いまのところ、感染者数がリバウンドする兆候すらない。この状況が続くことを願わない人はいないと思うが、一方で専門家のほとんどが「第6波は必ず訪れる」と警鐘を鳴らしている。

 では、第6波が来るとして、第5波並みに感染が拡大する可能性もあるのだろうか。どのような心構えが、われわれには求められるのだろうか。

 このような懸念にいま、さらなる材料が加わろうとしている。この冬は季節性インフルエンザが大流行するかもしれない、というのである。

 たとえば、日本感染症学会が9月末に発表した「2021-2022年シーズンにおけるインフルエンザワクチン接種に関する考え方」には、概ね次のようなことが書かれている。

 バングラデシュやインドで、初夏から流行しており、国境を越えた人の移動が再開されれば、世界中にウイルスが拡散されうる。また、前シーズンの罹患者が少数だったため、社会全体の集団免疫が形成されていないと考えられ、そこに海外からウイルスが持ち込まれれば、大きな流行を起こす可能性がある――。

 したがって、インフルエンザワクチンの「積極的な接種を推奨」するというのだが、そこで新たな問題が生じているという。

「インフルエンザワクチンの供給が例年より遅れています。供給される見込みなのは2567万~2792万本分と、去年より約2割少ないうえ、去年は10月下旬には、供給量の90%は出荷されていたのに、今年は65%程度にとどまっています」(厚労省担当記者)

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