いつまでキムタクは「若者代表」ポジション? 最後の国民的スターとしてのプライドとしんどさ

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

 マクドナルドにバルクオム、日産。御年49歳のキムタクは今でもキムタクだ。若者世代代表、という顔をしてCMに出ているということである。

 マクドナルドでは、大森南朋さんとのやり取りが繰り広げられている。顔つきといい「マック見っけ」といった言葉遣いといい、木村さんが若者代表、大森さんが保守的な上司層という構図にどうしても見えてしまう。ちなみに大森さんも49歳、木村さんの同僚世代である。

 バルクオムにしても、木村さん以外のエキストラはみな20~30代男性に見える。しかし最後に出てくるのはアラフィフの木村さん。カッコつけたウォーキングの後、やんちゃな表情でしゃがみこむドヤ顔に、「いよっ! キムタク節―!!」とかけ声をかけたくなる。もはや木村さんのヤンチャしぐさは、水戸黄門の印籠や遠山の金さんの桜吹雪的な、お約束芸という境地に達している。

 とはいえ、いつまでも若者面をしていることには違和感を覚えるものだ。しかしそもそも、木村さんは常に違和感を残すことを意識している人だろう。ハンバーガーの持ち方しかり、「ちょ、待てよ!」というセリフしかり。親交のある芸能人たちの呼び名も、他人とは違う「オレ流」で有名だ。明石家さんまさんを「さんまさん」ではなく「オジキ」と呼び、B’zのボーカル・稲葉浩志さんを「バッチ」と呼ぶ。大スターである彼らとも、他の人には真似できない親密な距離感を取れる。木村さんがつけるあだ名は、そんな自己顕示欲の表れでもある。

 ジャニーズの後輩であるA.B.C-Z・河合郁人さんが見せる木村さんのモノマネは、ナルシストの権化のようで笑いを誘う。「キムタク」は「誇張」そのものであるからこそ、モノマネ向きの存在なのだ。

次ページ:「推し」が細分化する時代 最後の「国民的スター」としてのプライドと責任感

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。