阪神 まさかの2位、CS惨敗も…ヤクルトや巨人より“未来”は明るい理由

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 開幕直後から首位を独走し、一時は2位に7ゲーム差をつけながらもヤクルトに逆転優勝を許した阪神。続くクライマックス・シリーズでは、ホームゲームというアドバンテージがありながら、シーズン3位の巨人に連敗して敗退となり、ファンにとっては非常に悔しいシーズンに終わった。来季続投が決まった矢野燿大監督やフロントに対する批判の声も多いが、長い目で見れば、チームは決して悪い方向へ向かっていないことは確かである。

当時多かった批判の声

 まず大きいのが、野手の世代交代が一気に進んだという点だ。金本知憲監督が指揮を執って2位となった2017年の主力を見てみると、二遊間の上本博紀、鳥谷敬、外野の糸井嘉男、福留孝介などベテラン揃いだった。しかし、糸井を除いて今のチームに残っていない。現在のレギュラー陣の大半が、過去5年間に入団した自前の選手たちばかりなのだ。

 それだけドラフト戦略が上手く機能しているということに他ならないが、大きな転機となったのは、やはり金本監督時代の16年だ。この年は、田中正義(創価大→ソフトバンク1位)、佐々木千隼(桜美林大→ロッテ1位)の大学生投手2人が注目を集めていた。そのなかで、阪神は「将来の4番候補」として、大山悠輔を単独で指名した。

 当時は、この指名に批判の声が多かったものの、大山は3年目からサードのレギュラーに定着し、中軸を打ち続けている。さらに、昨年のドラフトでは、野手の目玉だった佐藤輝明を引き当て、今年の前半戦はフィーバーとも言えるような活躍を見せた。仮に大山がこれほど早くレギュラーに定着していなければ、佐藤を指名しなかったことも十分に考えられるだろう。

 現場の意見を強く反映したドラフトは成功しない例も多いが、金本監督の意見で、大山を指名したことはプラスに働いたと言えそうだ。このほか、近本光司をはじめ、糸原健斗や中野拓夢も入団して間もなくレギュラーをつかんでおり、これだけの短期間に生え抜きの選手でレギュラーを入れ替えることができた球団は阪神だけである。

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