ベトナムに勝利でも日本代表の戦いぶりには失望…森保采配のあまりに多すぎる問題点
中途半端なプレー
ベトナム戦に関しては、大量点が必要だった。しかしゴールは前半17分の伊東の1点だけ。このシーンは大迫勇也がポストプレーから南野につなぎ、彼のドリブル突破から最後は伊東がフリーで決めたショートカウンターだった。
南野は前半6分に田中の折り返しにフリーで合わせたが、右足のシュートは大きくバーを越えた。ピッチはかなり荒れているようだったので、イレギュラーしたのかもしれない。その反省を生かし、先制点の場面ではドリブルしているボールをしっかりと見てラストパスを送った。
このショートカウンターだが、森保監督が就任した時から攻撃の優先順位では最上位にあったはずだ。
「まずタテに入れる」ということだが、それが機能しなくなったのは、大迫がボールを収められなくなったことと無関係ではないだろう。
ベトナム戦でも、ホームのオマーン戦でも、トラップミスなのかバックパスのミスなのかわからない中途半端なプレーでボールを失うことが何回かあった。
得点シーンでのポストは「さすが」だが、ケガの影響なのかそれ以外でのプレーは精彩を欠いただけに、前半で古橋と交代させても良かっただろう。
セットプレーも不安
今後の展開を考えれば大量点が必要な試合にもかかわらず、引いて守りを固める相手をなかなか崩せないという展開が続いた。
フラストレーションを募らせたファン・サポーターも多かったことだろう。こうした時に有効なのは、決勝点や前半40分の「幻のゴール」のようなカウンターか、セットプレーということになる。
ところが日本は6回のCKと11回のFKで一度も惜しいシーンを作れなかった。吉田も、
「いくつかデザインした形は持っていたけど、上手くいかなかった。改善しないといけないとずっと思っていた。ああいう試合ではセットプレーが大事になる」
と重要性を認識している。にもかかわらず、日本はセットプレーからの得点が少ないのも事実だ。
空中戦で勝負できる日本の選手は吉田、冨安、酒井といったDFと、前線の選手では大迫、上田に加えて古橋と前田もヘディングの勘がいい。
たとえ練習時間が少なくても、彼らを効果的に生かすイメージをミーティングなどで共有をしているのかどうか。
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