安倍氏が首相経験者として初の台湾訪問を調整中 岸田首相・林新外相ら“親中”をけん制

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ガチンコで戦えば林氏の方が強い

 別のデスクに聞くと、

「下関市を含む山口4区からは、前の選挙で晋太郎氏から地盤を受け継いでいた安倍氏が出馬することになり、義郎氏は比例代表中国ブロックから出馬することになりました。以降、林氏には地元に衆院の選挙区がなく1995年に参院議員に。地元の首長選では安倍家vs林家の仁義なき戦いが展開されていくことになります」

 それから林氏は河村建夫元官房長官の牙城・山口3区を手に入れるべく、浸透を画策。今回の衆院選で不出馬に追い込んだのだった。

「林氏の衆院転身計画は実現までに10年以上かかりましたが、次の衆院選では山口県の定数が1減って区割りが見直される見込みです。山口は1区に高村正彦自民党前副総裁の地盤を継いだ子息の高村正大氏、2区に岸信夫防衛相が陣取っている中で、候補者調整がさらに必要になってくる。3区と4区が合区される可能性が高いとされ、実際ガチンコで戦うことはないものの、万一そうなったら林氏の方が安倍氏より強いとも言われている。2度首相をやった人と、これからやろうとしている人との期待感の違いも当然あります」(同)

 安倍氏は細田派に復帰して次期会長に就任。また岸田首相の依頼を受けてのことだが、12月上旬にマレーシアに特使として派遣されることが固まったりするなど、徐々に表立った活動を再開している。

十八番の安倍外交で点数を上げやすいように

 このデスクは、「今回の林氏の外相就任は、岸田氏が彼を次期首相の有力候補と見ていることの表れでしょう」
とし、こう続ける。

「安倍氏がキングメーカーとして影響力を発揮できているなら宏池会が続けて政権を運営しようがなんてことはないはずですが、どうもそこまでではない。まして林政権となれば安倍氏は冷遇されるのは間違いない。とにかく存在感を高め、求心力をキープし続けなければ今回の河村氏のようになってしまうことを安倍氏はもちろんよくわかっている。岸田首相としては安倍氏をあまり追い込んで敵対するのは得策ではないと考え、十八番の安倍外交で点数を上げやすいように、マレーシアへの特使派遣というカードを切ってきたのでは。とすれば、なかなか岸田首相は人の心が読めているとも言えますね」

デイリー新潮取材班

2021年11月10日掲載

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