CSファイナル 下剋上を狙う巨人はヤクルトとどう戦うべきか【柴田勲のセブンアイズ】
投手力で分が悪い巨人
投手力で言えば巨人は分が悪い。特に中継ぎ、抑えは不安だ。7日の阪神戦、9回2点リードでチアゴ・ビエイラがマウンドに上がった。2死一、二塁と詰め寄られ、最後はロハス・ジュニアをフルカウントから空振り三振に仕留めたが、どう転んでもおかしくなかった。
6日も9回に登板して2死満塁とし巨人ベンチは畠世周をマウンドに送った。7日はビエイラを起用することはないと思って見ていたが使った。ストライクが入らないのだからどうしようもない。それでも使う。察するに代役がいないのだと思う。
その点、ヤクルトの救援陣は盤石だ。7回を今野龍太、8回・清水昇、そして最後をスコット・マクガフが締める。勝ちパターンが確立し、それに田口麗斗、石山泰稚らが控える。巨人は7日、先発の高橋優貴の後から7投手を繰り出したようになんとかしのいでいくしかない。
打線もヤクルトは4番・村上宗隆を中心に打線に切れ目がない。得点力はリーグトップだ。
丸は怖い打者
巨人は主砲・岡本和真をケガで欠いているが4番に座った丸佳浩の復調が頼りだ。この丸に坂本勇人がポイントだ。坂本、バットが下から出ている。変化球はすくいあげることができるが高めにはどうか。体調面が少し心配だ。ウィーラーや松原聖弥、吉川尚が打とうと、これは「儲けもの」の点だ。主軸が引っ張ってこそである。
丸といえば、彼がシーズン中にスタメンを外された時に原辰徳監督に電話を入れた。
「丸を使った方がいいのでは…」
「チームにはチームの事情があります。それに(丸は)相手にも研究されています。先輩、わかってください」
原監督の采配に干渉するつもりはまったくない。責任を取るのは監督である。それでも百も承知で言った。選手には格というものがあるし、そして相手側から見たら「丸外し」がどう映るかである。打てなくても丸は怖い打者である。
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