CSファイナル 下剋上を狙う巨人はヤクルトとどう戦うべきか【柴田勲のセブンアイズ】
負の記録を重ねたが……
シーズン3位の巨人が「クライマックスシリーズ」ファーストステージで2位の阪神に連勝、ファイナルステージ進出を決めた。
前回の今コラムで、ここは第1戦をエース菅野で勝利して波に乗るしかない。こう記したがその通りになった。エースが好投すれば打線だって奮起する。5回に吉川尚輝の適時打で先制したが、6回にはゼラス・ウィーラーの中越え二塁打で追加点を奪った。2死からの得点なんて久しぶりに見た。そりゃ、チームは波にも乗るし勢いが出る。
巨人は阪神に11ゲーム差を付けられての3位、後半は大失速だった。9月以降は10勝25敗8分、広島に2ゲーム差まで追い上げられた。10月には10連敗、46年ぶりに22戦連続先発投手に白星なし……、よくもまあこれだけという負の記録を重ねた。
このままでは終われない。巨人ナインにも相当な危機感があったのだろう。それが出ているのがわかる。
ベテランの味に期待か
10日からはヤクルトとのファイナルステージだ。やはりここも第1戦をモノにするしかない。なんといっても、ヤクルトには1勝のアドバンテージがある。この1勝、実に大きい。
たとえ巨人が勝っても1勝1敗の五分、ヤクルトにすればちょっと嫌な感じにはなるがそれでもシーズン後半の戦力、戦いぶりを見ると7割方有利だ。巨人が初戦を落とすと残り5試合で4勝しなければならない。これは相当キツイ。
巨人の先発は山口俊、ヤクルトは2年目の奥川恭伸が有力だ。今季9勝4敗、防御率は3.26、中10日を基本線としながらローテーションの頭で登板することが多かった。巨人は今季2敗している。球に勢い、そして切れがある。一言で言えば質のいいボールを投げる。そして度胸がいい。この奥川相手に落とせばズルズル行く可能性がある。
対する巨人の山口は今季勝ち星には恵まれなかった(15試合で2勝8敗)が、打線の援護に恵まれない試合が多かった。でも四球で崩れる自滅タイプではない。ベテランの味に期待か。
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