「茂木・新幹事長」の公選法違反「衆議院手帖」の無償提供を裏付ける証言・証拠と茂木氏の弁明(第1回)

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安倍氏の評価は高かったが

 11月4日、自民党の新しい幹事長となった茂木敏充前外相(66)。前任の甘利明氏が総選挙において選挙区で敗退し、わずか1か月で辞任を余儀なくされた後にチャンスがまわってきた格好だ。甘利氏の敗因は「政治とカネ」の問題だという見方が大半だが、実は茂木幹事長も決して過去に問題がなかった人物ではない。過去に公選法違反を問われ、国会でも質問を受けたこともあるのだ。

(※週刊新潮2017.08.17の記事に加筆・修正しています。肩書などは当時のママです) 

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 2017年8月3日、安倍晋三首相が内閣改造を断行し、茂木敏充経済再生相は4度目の入閣を果たした。当選3回時の沖縄・北方相就任を皮切りに、自民4役の選挙対策委員長と政調会長を歴任するなど、政府与党に重きを成す。

「本人は外相をやりたくて、トランプ以降のホワイトハウスにおける人脈作りに余念がなかった。安倍さんにもそれとなく希望は伝えていたみたいですが、“改造のテーマは経済”と説明を受けた結果、今のポストでやる気満々に。茂木さんは、ペーパーをパッと見ただけで書いてある数字とかあらましが頭に入るから、会見や国会答弁でも安定感があり、首相は評価している」

 と、政治部デスク。もっとも、人としてどうかと言うと、内情はこうである。

安倍氏は“人には優しく”とアドバイス

「首相が信用している雰囲気はありません。そもそも自民党が政権を奪還する直前に行われた12年の総裁選では石原さん(伸晃)を推してましたし、人望がないという情報が入ってくるから、安倍さんは“人には優しくした方がいいよ”とアドバイスしたこともあるそうです。茂木さん自身はお構いなしで“あとは幹事長やって首相へ”と思っているみたいですけど果たして……。所属する平成研内でも子分がいないのにどうするのっていうのがみなの一致する見方でしょう」(先のデスク)

 そんな人物が改造の目玉のひとつ、「人づくり革命」をも担当しているとは悪い冗談でしかないのだが、それはともかく、栃木県足利市を中心とする5区で連続8選し、王国の評判は高い。盤石の組織をベースにいずれは官邸の主へ――という人生設計を抱く大臣の公職選挙法違反を、事務所関係者が打ち明ける。

「茂木氏の事務所は、5区の有権者に対して『衆議院手帖』を配っています。毎年3000部ほどで、1部600円なので、180万円に相当するものです」

 黒地に金色で「衆議院手帖」と入り、縦15センチ×横9センチ×厚さ1センチと、iPhone7Plusとほぼ同じサイズ。前半はスケジュール欄、半ばに官公庁などの連絡先、巻末に日本国憲法や国会法が並ぶのが特徴で、永田町でしか取り扱われていない代物だ。

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