藤井聡太が4冠へ王手 竜王奪取なら“あらゆる意味”で棋士のトップになる理由
深浦九段に敗退の理由
藤井聡太三冠の将棋はますます「盤石」になってきたようだ。ところが、この日の熱戦の最中だった日曜の昼にNHKで放映されたNHK杯トーナメントでは、藤井は深浦康市九段(49)に敗れてトーナメント敗退した(NHK杯対局の収録はずっと前だが、放映まで勝敗は「極秘」になっている)。深浦は王位3期の経験のある実力者とはいえ、テレビを見ていた限り、藤井はなぜか見せ場もなくあっさりと深浦に負けてしまったのだ。
NHK杯は番組放映中での1時間半弱で勝負がつく早指し将棋である。
タイトル戦に初登場した頃の藤井は持ち時間の長い二日制の対局などでの時間配分が懸念材料とされていた。前半に持ち時間を多く消費し過ぎて終盤、秒読み将棋に追われてしんどくなっていたこともあった(だからこそ大逆転も目立ったのだが)。しかし、最近は落ち着いた時間配分をしている。この日の勝利では持ち時間を余していた。
まさか、タイトル戦があまりにも多くなって、強かったはずの「早指し将棋」の感覚が鈍ったわけでもないだろうが……。
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