「おかえりモネ」は代表作になったのでは?の問いに清原果耶から返ってきた意外な答え

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

次作、そして20歳の目標は

 清原は既に新しい場所に移っている。ヒロインを務めている映画「護られなかった者たちへ」が大ヒット上映中だ。

 東日本大震災から9年後に仙台市で2人が殺された事件を軸に物語は展開する。「おかえりモネ」と同じく、震災が物語に絡む。

 2人の被害者は全身を縛られ、餓死させられた。なぜ、そんな殺され方をしたのか……。

 殺人の容疑者として追われる主人公を佐藤健(32)、彼を追う刑事を阿部寛(57)が演じる。清原は佐藤を実の兄のように慕う正義感の強い女性に扮している。モネとは全く異なるキャラクターだが、なりきっている。特に後半30分の清原の演技からは目を離さないほうがいい。文字通りの熱演と評判だ。

「ありがとうございます」

 ここでも「自信作では?」と問うたが、やっぱり否定された。もちろん作品が不満というわけではない。清原という女優はもっと高みを目指しているのだ。

 さて、年が明けたら20歳になる。目標は?

「健康第一です。大きな目標を持つより、その時いただいたお仕事を全うするということを一番大事に生きていきたいと思っています」

 たしかに役者は体が資本。健康を損ねては準備や稽古が台無しになってしまう。目標が、地に足が着いているところが清原らしい。

 では、女優として長く生きていく中での大目標は何か。過去の報道では清原と故・原節子さん、あるいは吉永小百合(76)と結び付ける記事が多く、「清原も大女優になる」などと書かれている。

 清原自身の大目標も大女優になることかと思ったが、まったく違った。やっぱり堅実なものだった。

「役とか作品に出会うことというのはすごく運命的なことだと思っているんです。その作品に私が参加すること、その役を私が演じることによって、見てくださった方の心に何か残るようになれば良いなと思っています。たぶん、これからもそう思い続けます」

 今、視聴者は「おかえりモネ」ロスを味わっている。一方、清原にとって「モネ」は大切な宝物になりつつある。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮取材班編集

2021年11月3日掲載

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。