情緒不安定の妻にフライパンで殴られ…不倫がバレ、子どもに会えない夫が語る“泥仕合”
不倫がバレたら、どういう理由があっても不倫した側が責められてしまう。たとえ“された側”に相手を陥れる意図があったとしか思えない場合でも。今回は、妻側から詳細を聞いたわけではないが、さすがに気の毒だと思う事例ではある。【亀山早苗/フリーライター】
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「裁判、相変わらず進展はないんですよ」
数ヶ月に一度、ある会合で顔を合わせる田村圭祐さん(44歳・仮名=以下同)は、少し疲れたような表情でそう言った。彼から「妻が離婚調停の申し立てをおこなった」と聞いたのはコロナ禍の半年ほど前、つまり2年と数ヶ月になる。その後、調停は決裂、裁判になだれこんでいる現状だ。
「不倫していた僕が悪いのはわかっているんですが、これほど揉めることになるとは思いませんでした」
そのころ彼はそう言っていた。
圭祐さんが結婚したのは33歳のとき。1年ほどつきあっていた2歳年下のゆかりさんが妊娠したのを機に婚姻届を出した。大恋愛といってもいいほどだったから、もともと結婚するつもりだった。式の前に妊娠がわかっただけだ。
「年子で子どもができて、ふたりとも仕事を続けて。忙しかったけど楽しかったですよ、今思えば。協力体制ができていたし、愛があった。いつもオレたち最強の夫婦だよねと言っていたんです」
ところが子どもたちが4歳と3歳になるころ、ゆかりさんがときおり荒れるようになった。仕事や家庭でのストレスが原因らしい。彼女はその後、休職した。
「あなたも仕事を休んで私の看病をしながら子どもの面倒もみてと言われたんですが、そんなことをしたら食べていけません。彼女は母がもう亡くなっているので、やむをえず、僕の母に上京してもらった。そうしたら母と妻の折り合いが悪くて、母は実家に戻ってしまうし、妻はさらに荒れるし……。僕、いきなりフライパンで頭を殴られたことがあるんです。何が原因だかわからなかった」
フライパンで殴られ、ついに入院させた
子どもたちが寝入った深夜だった。ゆかりさんが「仕事を休んでいる自分はダメな人間だ」と言い出したので、「その気持ちはわかる。でもきみはダメじゃない」と受け入れつつ慰めていると、彼女がふいっと寝室を出ていった。疲れていた圭祐さんはすぐに寝落ちしたのだが、次の瞬間、ものすごい衝撃で飛び起きた。
「フライパンを持った妻が僕のベッドに仁王立ちになっていたんです。刃物じゃないから切れはしなかったけど、見る見るうちに腫れ上がって大きなコブができました。何だよと言ったら、『私がこんなに苦しんでいるのに寝るなんて許せない』と。もう僕もこの状態には耐えられない。だから医師と相談し、彼女にも話をして入院させたんです」
また母親に来てもらい、久しぶりに穏やかな時間を過ごした。子どもたちが寂しがらないので、それとなく聞いてみると「ママが怖かった」とようやく気持ちを吐き出した。ふたりとも泣いていたという。それからは、母とふたりで子どもの心の回復に努めた。家族でゆっくり過ごしたり遊園地につれて行ったり。
「私が来たころ、この子たち笑わなかったんだよ、あんた、気づかなかったのと母に言われて反省しました。妻の機嫌ばかりうかがう日々だったので。妻が子どもたちを叱る声が怖かったんです」
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