花巻東の怪物1年生「佐々木麟太郎」 高校時代の大谷翔平を凌駕する“驚異の長打力”

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1年秋で本塁打47本

 これで入学してからの高校通算本塁打は47本。大谷のそれが56本であることを考えると、1年秋でこの数字はまさに驚異的である。また、史上最多の高校通算111本塁打を誇る清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)でさえ、1年秋が終了した時点での本塁打数は22本にとどまっている。

 当時の清宮のプレーも球場で何度も見たが、1年生の時点では、全てにおいて佐々木が上回っていることは間違いない。大きな怪我などがなく、このペースでホームランを量産すれば、2年生の時点で早くも清宮を超える可能性もありそうだ。

 続く準々決勝から決勝までの3試合では、厳しいマークもあってホームランこそ出なかったものの、東北大会の4試合で13打数5安打4打点、打率.385と中軸として十分な結果を残して、チームの初優勝に大きく貢献した。5安打中3本が長打で、四死球は5個も記録しており、出塁率.556、長打率.769という数字も見事という他ない。誘うようなボールは見極めて、数少ない打てるボールをしっかりと長打にしている証明と言えるだろう。

 佐々木の所属する花巻東は、東北大会に優勝したことで、来春のセンバツ出場が決定的となった。また、11月20日から行われる明治神宮大会の出場も決まり、佐々木にとっては、これが全国デビューとなる。ここでも、大勢の観衆を沸かせるような大アーチを見せてくれることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月31日掲載

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