「体に投資する」超高級食材店のカリスマバイヤーが明かす買い物術 新鮮な食材の見分け方、調味料の選び方は
減塩、カロリーゼロは要注意
まず私がお店でよくお客さんとお話しするのは、調味料だけでも天然素材や昔からの製法で作られたものを揃えてみてはどうですか、ということ。和食に必須の基礎調味料である砂糖、塩、お酢、醤油、味噌。いわゆる「さしすせそ」をしっかり選ぶことで、体も喜ぶし、日々の食事が美味しくなって料理上手になれます。
昔からの製法でゆっくり時間をかけ出来上がったものは、身体によいといわれます。たとえば、お酢は伝統的な製法でしっかり作れば1年以上かかるところ、安価なものは工場で24時間以内に製造されてしまい、酸味が先立ってお酢本来の旨みを感じることはほとんどありません。
スーパーで食卓塩として売られる精製塩も、化学的な製造方法によって1日もかからず作られますが、舐めるとしょっぱいだけ。海水を塩田にくみ上げ、お日様の光と風だけで濃縮して塩にする「天日塩」なら、完成まで3カ月ほどの時間を要しますが、ミネラルが豊富なので塩分が体内にすぐ吸収されず、血圧も急激に上がることはありません。
また、血圧を気にされる方は、「減塩」と銘打った醤油や梅干しを購入されていると思います。でも、伝統的な製法に反して塩を減らせば、梅干しならすぐ腐ってしまうし美味しくないですよね。だから、食品メーカーは添加物を入れて保存期間や味を調整します。「カロリーゼロ」や「シュガーレス」といった商品も同様で、健康に配慮しているようでも、発がん性が疑われる人工甘味料などが使われている可能性もあります。
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