DeNAが最下位に沈んだ理由 規定打席に達した3割打者が4人いても勝てないのはなぜか?
功労者でレジェンドだが
例えば、
「登板過多とコンディション調整失敗が重なりズタボロになっていた三嶋一輝や山﨑康晃を勝負どころでストッパーあるいは中継ぎとして投入し、明らかに調子を落としているにもかかわらず肩入れし続けて失敗する――。そんな悪循環を招いたことも批判されて然るべきだろう」(先の球団OB)
実際、シーズン中からチーム内の主力選手やスタッフたちの間で「毎日が綱渡りのようなゲームが続いていて一貫性がない」「三浦監督は確かにいい人だが、指揮官としてはどういう野球をしていくのかが見えて来ないし、つかみどころがない」などといったブーイングや困惑が広がっていた。
さらにDeNAの球団関係者からは、こんな声も。
「確かに三浦さんは球団の功労者でレジェンドだが、監督としての裁量には疑問符を付けざるを得ない。当時はいろいろ言われながらもデータ野球を頑なに駆使し、ドラスティックな采配を貫くことで就任5シーズン中3度のAクラス入り、日本シリーズにも1度進出して結果を出していたラミレス体制のほうが、よっぽどマシだった。来年からラミちゃんに帰って来て欲しい」
前年まで5年間チームを率いていた前監督のアレックス・ラミレス氏の復帰を本気で訴える悲痛な叫びまで聞こえて来る状況だ。
南場智子オーナーの擁護コメント
しかしながら球団幹部は一体どこまで危機感を覚えているのか、不安を煽ってしまうような言葉も口にしている。
南場智子オーナーは今季の三浦監督の采配について「あとから質問しても納得いく説明がある。素晴らしかったと思います」と報道陣にコメント。2年契約の2年目となる来季の三浦体制に向けて是が非でもポジティブな要素を強調しておく狙いがあったのかもしれないが、どことなく能天気な発言にとらえられてしまった感は否めない。案の定、ネットやSNS上では南場オーナーの三浦監督への擁護発言に批判的な書き込みが多数散見されている。
ただ、別の球団OBは「三浦監督1人だけの問題ではない。かくいう、その球団幹部を筆頭としたフロント側にも今季低迷を招いた責任は大いにある」とも述べている。
今季のDeNAは三浦監督へのバックアップが盤石になっていたとはお世辞にも言えず、その一例として、コロナ禍を巡る書類手続き上のミスでタイラー・オースティン外野手やネフタリ・ソト内野手ら外国人選手の来日が開幕に間に合わなかったことが挙げられる。その“醜態”は球界内でも「今季の大失速を招く最大の要因になった」ともっぱらだ。
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