DeNAが最下位に沈んだ理由 規定打席に達した3割打者が4人いても勝てないのはなぜか?
「光り輝けるチーム」になれるのか
プロ野球の横浜DeNAベイスターズが2021年のレギュラーシーズンで6年ぶりのセ・リーグ最下位に沈んだ。26日の本拠地最終戦(横浜スタジアム)ではリーグ優勝がかかった東京ヤクルトスワローズを相手に意地すら見せつけることもできずに1―5で完敗。ホームグラウンドで胴上げを許す屈辱にまみれた。ヤクルト戦終了後、本拠地最終戦セレモニーでマイクを前にした三浦大輔監督は「胴上げを見て悔しい気持ちでいっぱいです。今年味わった悔しさを忘れず、来シーズンこそは光り輝けるチームになれるように頑張っていきたい」と挨拶し、スタンドのファンから温かい拍手を送られていたが……。
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本当に「光り輝けるチーム」になれるのか。就任2年目を迎える来季の三浦体制には球団内外、そしてネットやSNS上でも不安の声が尽きない。「三浦監督のマネジメントでは来季も厳しいと思う。ベンチワークに一貫性がない。特に就任早々から走塁改革を訴えていたはずが、シーズンを通して変化がなかったことは余りにも酷過ぎる」と断罪するのは球団OBの1人だ。
名ばかりの「機動力野球」
昨オフの就任早々から三浦監督は「機動力野球」を掲げ、「打つことはもちろん重要だが、走者を進めていくこともポイント」としていたものの、いざフタを開けてみれば盗塁数はわずか「31」で12球団ワースト。昨季リーグ最少だった犠打数こそ今季「81」と幾分向上したとはいえ、次の塁を貪欲に狙う意識は相も変わらず浸透していないことが浮き彫りとなった。
「リードオフマンに据えた外野手の桑原将志はチームトップの『12』をマークしているが、凡打に倒れると全力疾走しないなど怠慢走塁の悪グセが抜け切っておらず、こういう細かい点も実はチーム全体に悪影響を及ぼしてしまっていた」(先の球団OB)
規定打席に達した3割打者が4人(桑原、佐野恵太外野手、牧秀悟内野手、宮崎敏郎内野手)もレギュラーに名を連ねているのに、ここまで勝てないのはなぜか?
「機動力野球を疎(おろそ)かにしていることも当然関係している。要するにベンチが『雑な野球』をしているということ。三浦監督がもっと厳しい姿勢を前面に打ち出せば選手たちもシャカリキになるはずだが、彼は尻を叩くようなタイプでもない。いかんせん優し過ぎる。このソフト路線が裏目に出てしまい、横浜の元エースとして期待されていたはずの投手起用でも温情采配が目立ち、投壊に歯止めが利かなくなった」(同)
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