「中国は確実に台湾に侵攻する」前統合幕僚長が警鐘 沖縄の海が戦場と化す?

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台湾侵攻が起こってしまう条件

〈台湾初の総統選挙を目前に控えた95年7月から翌年3月にかけて、中国は台湾沖の海域で大規模な演習を実施して、民主化への動きを牽制した。これを受けて、アメリカは二つの空母打撃群を派遣した。いわゆる「第3次台湾海峡危機」である。この時の中国は米軍の圧倒的な軍事力の前に引き下がらざるを得なかったが、いまや両国の戦力差は縮まりつつある。となると、来るべき台湾への侵攻はどんなシナリオが想定されるのか。〉

 あまり固定的に考えるべきではないが、あえて言うなら、(1)台湾海峡を巡る軍事バランスが中国に絶対的に有利 (2)米軍の介入が困難、これら二つの条件が満たされた時に現実化してくるだろう。

 具体的にはJ-16やJ-10、Su-27といった各種戦闘機、H-6などの爆撃機や、その他の作戦機で制空権を確保し、同時に空母「遼寧」を中心とした空母打撃群が周辺海域の制海権を掌握する。その後は約4万人を擁する海兵隊が中心の強襲揚陸作戦によって、台湾本島を制圧するだろう。軍事的にはこれが最も手っ取り早い。

 あるいは、台湾本島から200キロの距離がある一方、中国大陸からわずか10~20キロの金門島や馬祖島など、台湾の施政下にある離島を奪取することもあり得る。台湾の国論を「反撃か従属か」と二分し、その混乱に乗じて台北に臨時革命政府を成立させて、親中政権の要請に基づいて人民解放軍が進駐するという手法だ。

 加えて、14年にロシアがクリミア半島に侵攻した際にウクライナ軍を混乱に陥らせたサイバー攻撃や、SNSやメディアの操作、フェイクニュースの拡散等を活用して民心を操作するハイブリッド戦も考えられる。情報の兵器化によって台湾世論の分断や攪乱がなされれば、米軍の介入にあたり、大きな政治的困難が伴うからだ。

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