「ジャニーズの主演ドラマが、民放のゴールデン・プライム帯から消えた」ことについての考察
衰退や俳優不足の批判は当たらない
民放のGP(ゴールデン・プライム/1900~2300)帯からジャニーズの主演ドラマが消えた――。しかし、実はジャニーズドラマは近年かなりの豊作なうえ、演劇・映画まで目を広げると、ジャニーズは10代~50代まで幅広い層の役者が揃った事務所になっているという。『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)の著者・霜田明寛氏が綴る(文中敬称略)。
【写真4枚】同性同士の恋愛や不倫や殺人、27歳処女と童貞が主人公という設定など、難しめのテーマに体当たりでチャレンジするジャニーズ
この秋、ジャニーズのGP帯民放主演ドラマがゼロ。そう聞くと、ファンはいささか寂しく感じるかもしれない。
たとえば今年だけみても1月期には長瀬智也“最後の主演作”となった「俺の家の話」や4月期には櫻井翔にとって嵐が活動休止になって初のドラマであり、入江悠が監督した「ネメシス」があった。
さらに7月期には東山紀之の「刑事7人」から、Sexy Zone・中島健人の「彼女はキレイだった」、GP帯初主演となったジャニーズWEST重岡大毅の「#家族募集します」など、ベテランから若手まで多くのジャニーズ主演ドラマが取り揃えられていた。一方、今クールの民放ドラマは相葉雅紀の「和田家の男たち」などはあるものの、こちらは23時台。
たしかに、ここだけ切り取れば、「ジャニーズドラマの時代も衰退か」「ジャニーズは俳優人材が不足している」などといくらでも悲観的に捉えることができるかもしれない。
かなり豊かなラインナップに
しかし、実際は逆だ。むしろ近年のジャニーズドラマは衰退どころか、かなり豊かなラインナップになってきており、さらに時代のニーズに応えているともいえる。そしてもちろん、そこを支えるのは、年代・方向性含め、かなり幅が広くなっているジャニーズ事務所の面々だ。
まずはドラマの話から見ていこう。
今期、民放のGP帯に絞ればたしかにジャニーズの主演ドラマはゼロ本なのだが、NHKに目をやれば土曜21時のドラマ「正義の天秤」の主演をKAT-TUNの亀梨和也が務めている。同ドラマにはKis-My-Ft2の北山宏光も出演中だ。
同じNHKでは月曜22時台の「古見さんは、コミュ症です。」にNEWSの増田貴久が主演している。
さらに、8月からフジテレビ系列で放送されていた、Hey! Say! JUMPの伊野尾慧主演の「准教授・高槻彰良の推察」は10月からWOWOWでシーズン2が放送中。つまり、今クールも実は、ジャニーズ主演ドラマは多く放送されているのだ。
上記のドラマはNHKとWOWOWで10月に放送中のものだが、深夜ドラマや地方局にまで目をやれば、今年、多くのジャニーズ主演ドラマが世に放たれた。
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