「京大霊長類研究所」への惜別の辞~学生誘拐事件と「化石をかみつぶした」天才研究者の物語(後編)
京都大は去る10月26日、京都大学は所属の霊長類研究所(愛知・犬山市)を今年度末をもって解体することを公式に発表した。同研究所の元教授で『マスクをするサル』(新潮新書)の著者でもある正高信男氏は、不正経理問題をリークした張本人ではないかと大学幹部に疑われ、論文不正の疑いもかけられた。その本人が研究所について綴るレクイエムの後編。
霊長研はその設立当初から、全国共同利用研究所の一つとしての役割を与えられており、それは今日にいたるまで変わっていない。...