TBS「モニタリング」企画に激怒、APにつかみかかり… ソニー・ミュージック役員がパワハラのてん末
TBS系の人気バラエティ番組「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」といえば、数々のドッキリ企画が売りである。そんな中、ジャニーズWESTらがターゲットになったある企画が、思わぬ波紋を呼んでいた。
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数々の関連子会社を傘下にもつソニー・ミュージックグループ。その販売・宣伝を担う部門「ソニー・ミュージックマーケティングユナイテッド」で、〈「降職」処分とする〉人事が発令されたのは、9月16日のことだった。懲戒事由は次のようなものだ。
〈度々の注意、指導を受けたにも関わらず、職場において社員並びに取引先に対して業務上必要な範囲を超えた不適切な言動を取ったことにより、社員、関係者に多大な迷惑をかけ、職場環境を害し、会社の名誉を傷つけた。〉
その対象となったのは、今年4月から宣伝担当グループの執行役員を務めていたA氏。この人事によって、A氏は役員の座を追われ、企画戦略本部付のシニアプロデューサーとなった。が、A氏の“降職”はこれに留まらなかった。
「さらに10月1日の人事で、系列の芸能事務所『ソニー・ミュージックアーティスツ』に異動となりました。コーポレート企画本部の所属になりますが、何をするかよく分からない一人部署。まあ“左遷”ですよね……」
と明かすのは、ソニー・ミュージックの関係者だ。いったいA氏はなにをやらかしたのか。
“許諾を与えていない”
発端は、8月5日に放送された「モニタリング」だった。夏の3時間スペシャルとして放送されたこの回では、熱唱中の著名人に“落とし穴”をしかけるドッキリ企画「THE FIRST FAKE」を放送。ジャニーズWESTのメンバーらのほか、元モー娘。の保田圭や飯田圭織、はては格闘家の那須川天心や元DeNA監督のラミレスまでもがターゲットになった。
この「THE FIRST FAKE」は、登録者数およそ520万人の人気YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」のパロディーである。本家の「TAKE」は“一発撮りで、音楽と向き合う。”をコンセプトに、新進気鋭の若手からベテランまで、様々なミュージシャンがマイクに向かって歌う趣向の企画だ。およそ2年前から始まり、投稿された動画の数は250本を超える。
「THE FIRST TAKE」の企画・制作は、博報堂の関連会社「TBWA/HAKUHODO」が行っている。が、はっきりと公にはされていないものの、ソニー・ミュージックも関わっているのは業界では知られた話だそうだ。動画内で使われている機材もSONY製。先の関係者は、「このチャンネルには、Aさんが深くかかわっていました。一説によると、費用のみならず、キャスティングや演出などのクリエイティブ面までも、彼が握っていたようなのです」とし、こう続ける。
「どうやら『モニタリング』の放送をAさんがたまたま観たらしく、“許諾を与えていない”と激怒したのです。『FAKE』企画は6月にもやっていたのですが、それは見逃していたんですかね……。本気で歌う人を馬鹿にしたような内容ですから、本家にかかわるAさんが怒る気持ちも分からなくもないのですが、その対応がまずかった。放送5日後の8月10日にTBSの局員2人と制作会社のAP(アシスタントプロデューサー)がソニー・ミュージック本社まで謝罪に訪れたのですが、Aさんとたまたま玄関で出くわした。すると彼は激昂し、制作会社の人間につかみかかったのです」
現場が場所だけに、目撃者も少なくなく、この件は一気に広まることになったという。
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