東大大学院教授がデジタル教科書に警鐘 「覚えやすいのはスマホより紙」

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反面教師は新聞記者

 その意味で反面教師とすべきなのは新聞記者だろう。政治家や役所の会見がテレビ中継される際、聞こえてくるタイピングの連打音。取材する記者がその発言の一言一句を間違えないようにパソコンに打ち込んでいるのだ。しかし、こうした行為は情報を受動的に取り入れさせ、能動的な思考力を低下させるという。

「パソコンを使って人の発言をタイプしようとすると、どうしても書き下してしまうものです。自分で咀嚼(そしゃく)する間もなく、受け身になってひたすらキーボードを叩く方が楽ですから。これは先ほど申し上げたシングルタスクですね。内容の理解が浅くなると、その場その場で能動的に質問をすることもできません。自分で手書きのメモを取れば、相手の発信する膨大な情報から要点を押さえることができますし、そのメモを見直す余裕があれば、理解を深めたり、理解していない部分に気づいたりできるようになります。それが取材の基本ですし、他の仕事にも応用できるでしょう」

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