ヤクルトの「内川残留問題」、大物はクビにしづらく優勝争いの最中に登録抹消で「もっとチャンスを」とイライラを募らせて
5番で迎えた開幕戦
プロ野球はペナントレース最終盤を迎え、大物選手の引き際に関するニュースが聞こえ始めた。巨人の亀井善行外野手(39)は引退、西武の内海哲也投手(39)は残留と報じられたが、その一方で、ヤクルトの内川聖一内野手(39)の去就は明らかになっていない。球団内には「活躍できていないとはいえ、ビッグネームはクビにしづらい」というプレッシャーがあるようだ。
内海は今季2試合に先発し1勝にとどまり、防御率は7・71だった。2軍暮らしが長かったが、若手のお手本としての能力も期待されての契約更新だという。
一方の内川は今季ソフトバンクから加入し、38試合に出場して打率2割8厘、0本塁打、2打点の成績だった。
「ヤクルトは開幕当初、新型コロナの影響で外国人が来日できないなどの理由で5番が不在でした。そこで、その役割を内川に担ってもらいたいと高津監督は考えていたんです」
と担当記者。実際、3月26日の対阪神開幕戦では5番ファーストでスタメンに名を連ねた。しかしチームは阪神に3タテを食らい、内川自身も調子がつかめないまま、選手とスタッフがコロナに感染した件で3月31日に濃厚接触者に認定され、2週間の隔離生活を余儀なくされた。
代打の切り札にもなれず
この記者が続ける。
「この時は内川のほか、開幕から先発出場してきた2番・青木宣親、3番・山田哲人やショートの西浦直亨、30日に先発したスアレスも1軍の出場選手登録を外れました。選手をかなり入れ替えることになったわけですが、チャンスを掴んだ若手がレギュラー陣を刺激し、図らずもチームの新陳代謝が進み、今季の快進撃を生んだとも言えますね」
内川に話を戻すと、4月16日の阪神戦で1軍に復帰したものの、すぐに2軍へ。5月25日の日本ハム戦から再昇格したが、代打での起用が主となっていた。
「オスナとサンタナが4月下旬からチームに合流し、レギュラーに定着すると出場機会に恵まれなくなりました。さらに今のヤクルトで代打と言えば川端慎吾。85打数32安打で打点18。長打率はほぼ.500、出塁率は.424(25日現在)などと驚異的でチームへの貢献度は高い。2015年に首位打者を獲得してリーグ優勝に貢献した逸材ですから、活躍は意外ではありませんが……」
椎間板ヘルニアなどの影響で代打の切り札となった川端が打ちまくったことで、同じく首位打者ホルダーの内川と言えども代打の2番手以降に甘んじることになった。
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