22年春から「ゆとり教育」が再スタート 高校の指導要領に「総合的な探求の時間」が
生徒・児童の学力を奪い、文部行政最大の失敗作といわれた「ゆとり教育」が、看板を替えて再スタートする。文科省が2022年春から実施する高校の新指導要領に〈総合的な探究の時間〉という学習プログラムが盛り込まれるのだ。中身は、ゆとり教育を引き継いだものだ。
文科省担当記者の解説。
「ゆとり教育とは公式な呼び名ではなく、昔の詰め込み教育を否定した教育方針の総称です。02年から本格的に小中・高校で導入され、8~9年にわたって続けられました。たとえば、中学校では一般教科の授業が2割前後削られたのです」
授業時間が短くなったことで円周率をはしょって「3」と教えたなどの逸話が残っているが(実際には3.14と教えていた)、代わりに登場したのが〈総合的な学習の時間〉だ。当時、文部省のスポークスマンとして、大臣官房審議官だった寺脇研氏が宣伝して回っていたアレである。ところが、同プログラムは教室をさらに混乱させた。
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