眞子さまがICUではなく学習院大に通われていたなら…日本人の皇室観の揺らぎと密接に関係する問題

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今も残る伝統

 各界で活躍しているICUの卒業生を見ると、やはり英語が流暢な“国際人”の印象が強い。

 例えば、ソニーのシニアアドバイザーで前会長の平井一夫氏(60)とフリーキャスターのジョン・カビラ氏(62)は、共にICUのOBだ。

 2人はアメリカンスクール・イン・ジャパンからの同級生でもあり、ICUを卒業後、共に新卒でCBS・ソニーに入社した。率直に言って、学習院大学のOBには少ないタイプだろう。

 眞子さまの「公より私を優先する姿勢」は、ひょっとするとICUの自由闊達で欧米流の個人主義が横溢するキャンパスで育まれてしまったのではないか──これが各記事に共通する問題意識だ。

 皇室ジャーナリストの神田秀一氏は、2006年から15年まで学習院女子大学の非常勤講師を務めた。

「改めて申し上げますと、今の学習院は皇族や華族の教育機関ではありません。出願して入試に合格すれば、誰でも入学できます。ただ、私が勤務をスタートさせた時、関係者から『1868年の東京遷都から150年以上が経過しましたが、依然として京都には天皇家がお住まいになっておられた雰囲気が残っていると思います』と言われました。学習院は戦後、一般に開かれたとはいえ、かつての伝統はそう簡単には消えないというわけです」

お茶の水附属中学の不祥事

 それから神田氏は「学習院の伝統」を様々な場面で感じ取ったというが、特に印象に残っているのは警備面だという。

「学習院大学も学習院女子大学も、キャンパスを歩くと『あそこなら私服の警察官が隠れやすいだろうな』という場所がいくつもありました。実際、不審者の情報共有などは徹底していました。皇族が通われたことで対応策が構築され、そのノウハウの積み重ねが、一般の学生を守るために活用されていました」

 学習院大学は危機管理の意識が高い。この一言に尽きるだろう。前出の記者も指摘する。

「警察関係者に取材したことがあるのですが、学習院大学のキャンパスはSPの導線が確保されているなど、警備に配慮した設計になっているそうです。一方、19年5月、悠仁さま(15)が通われるお茶の水女子大附属中学校に男が侵入し、悠仁さまの机に刃物を置くという事件が発生しました。発生当初から『学習院なら起きない不祥事』と言われていました」

 学校側が所轄の大塚警察署に通報したのは、事件発生から6時間以上が経過してからだった。この1点だけでも、危機意識の差はよく分かる。

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