眞子さまが一時金を辞退されたのは、好ましいことだと思う理由
「警備費用の前払い」というのも…
たとえば、皇族が公務員や民間企業のサラリーマンなら懲戒免職にすべきようなことをして皇籍を離脱するような場合にも、支給しない、減額するということもできないわけでもあるまい。それと、同じことだ。ただ、それが認められると、何らかの問題を抱えた皇族について、支給すべきかどうかということが議論になるので、宮内庁が好まず、嫌がっていることはあるかもしれない。
その主旨については、警備費用の前払いだという人もいるが、皇籍離脱した皇族方も、普通よりは少し安全な住まいに住む以上のことはされていないし、特殊な事情があって、警備員を長期に亘って貼り付けたりするなら、一億数千万円などそれほど長く持たないわけで、そんな主旨はない。
目的はあくまでも元皇族としての品位を保つためで、生活態度においてもみっともない真似は止めて欲しいとか、皇室との交流を続けるなら、それなりの服装や交際費なども必要だろうということだ。退職金としての意味もあろうが、30歳そこそこで寿退社したときの退職金など会社にもよるが100万円程度でしかないはずだ。
遺産相続の前渡しとしての意味はあるかと云えば、皇族にも私有財産があるし、眞子さまもご両親からの相続権を失うわけでないから、その主旨はない。
余談だが、高松宮殿下は有栖川宮家の財産を引き継がれていたので比較的豊かだったが、喜久子妃がなくなったのち、遺産は妃殿下の実家である徳川慶喜家の兄弟やその子のもとに相続された。また、女系からの相続もありうる。美智子上皇后は、正田家の遺産相続を放棄されたが、三笠宮信子様は麻生家から相続されているのだろうか。
一時金をもらわない意味
いずれにせよ、品位保持のために相応しい用途に使われなければ、国民から批判を受けるのは当然で、小室圭氏があの400万円や、小学校の奨学金とか今回の留学費用などかなりの負債をかかえているらしい状況と、これまで財産や収入に見合わない贅沢を繰り返してきた点を考えれば、まとめて一時金を渡すことには慎重であるべきだろう。
さらに、結婚相手がこれまで無収入の学生で、今回、就職が決まったといっても司法試験合格が前提で、また、アメリカの実情からして、それなりの安定を見るのは先のことであるとかいう状況では、結婚が維持できるかかなり将来が危なっかしいし、破綻という可能性も想定しておくことは必要だ(別にこれにかぎらず、皇室典範は離婚について十分に定めていないから考え直すべきだが)。
これまでの皇族女性の結婚相手は、それなりの財産や仕事をもつ相手であるから、たとえ結婚が破綻しても、経済的な面倒は見てくれそうな相手だったが、今度はそういうわけではない。
一般の裕福な実家なら、離婚しても娘や子供の面倒くらい見るだろうが、秋篠宮家にそれを期待できないので、実質的に皇室や国が何らかの形で面倒をみることが必要なことだっておおいにありうる。そのときに、すでに一時金は受け取ったが、全部使っていたではなかなか国民の理解を得られない。しかし、もらっていないなら、何か知恵をだすことに国民の理解も得られると思う。そういう意味で、いま一時金をもらわないことに意味があると思う。
さらに、制度論としていえば、品位保持の主旨でいえば一時金で全部渡すのでなく、年金のようなものにするか、元皇族が希望するなら、宮内庁の嘱託のようなかたちで、元皇族が皇室の仕事を手伝って収入を得られる仕組みをつくったほうがいいと思うが、すぐにというわけにはいかない。
そんないろんな理由で、一時金を辞退されるのは、好ましいことだと思う。
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