「嵐の22周年」 活動休止期間中に見せるジャニーズではレアな“疑似グループ活動”

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“嵐を巻き起こす”のがよく似合う

 総じて、このような嵐メンバー+後輩ジャニーズの活動は筆者の目には革新的にさえ映る。

 近年の国民的アイドルであり、“いい子”のイメージを持っている方々には意外に映るかもしれないが、そもそもの嵐は革新的なグループだった。

 櫻井翔による自作のRAP詞で本格的にジャニーズ楽曲にHIPHOP要素を取り入れたという音楽的側面はもちろん、まだ大ブレイク前だった2000年代前半、決して規模の大きくない、単館系の主演映画を自社レーベル発信で制作するなど、いわゆるサブカルチャー的な動きも多くとっていた嵐。

 櫻井翔も10代の頃の自分を「ジャニーズに新しいものを取り入れたいという意気込みがあった」(『ザ・テレビジョン』2012年10月27日号)と述懐している。

 その後、2007年の大ブレイクを経て、奇しくも東日本大震災の前年から5年連続で担うことになった紅白歌合戦の司会など、嵐の背負うものが大きくなればなるほど、そのような革新的な要素は目立ちづらくはなっていったものの、やはり根底にはその魂が眠っていたのだろう。

 伝統を引き継ぎながらも、新しいものを創造し続けるジャニーズ事務所全体とも、この姿勢は親和性が高いはずだ。

 やはり、嵐は“嵐を巻き起こす”のがよく似合う。嵐メンバーが、ジャニーズ内で巻き起こす嵐が、今度は新たな国民的アイドル誕生のきっかけになるかもしれない。

霜田明寛
1985年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業。9歳でSMAPに憧れ、18歳でジャニーズJr.オーディションを受けた「元祖ジャニヲタ男子」。就活・キャリア関連の著書を執筆後、4作目の著書となった『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)は5刷を突破。 また『永遠のオトナ童貞のための文化系WEBマガジン・チェリー』の編集長として、映画監督・俳優などにインタビューを行い、エンターテインメントを紹介。SBSラジオ『IPPO』凖レギュラー。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月23日掲載

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