鈴木奈々も涙…おバカタレント冬の時代 芸能界のトレンドは「低体温」!?
元気で押し切るおバカキャラたちの凋落 滝沢カレンやフワちゃんに見る変化
鈴木さんやヘキサゴンファミリーといった、おバカタレントのブームは下火になった。木下優樹菜さんのように問題を起こした人は別としても、misonoさんや上地雄輔さん、スザンヌさんらに当時の勢いはない。里田まいさんは田中将大選手の良妻として名を上げたが、山田親太朗さんは芸能界引退を選んだ。
大声で見当外れのことを叫び、熱量の高いリアクションで笑いを誘う。おバカキャラの人気の源泉は、怖いもの知らずさと紙一重の「元気さ」だった。でもその元気さ一辺倒の戦い方から抜け出せない人ほど、苦労している。
ローラさんはおバカ枠出身ながら、最も成功した一人だ。それは料理上手な一面や、環境問題に敏感という「地に足のついた」顔も発信し続けていたからだろう。今や海外で憧れのライフスタイルを送る、オピニオンリーダーのような存在だ。また、結婚を機にママタレにシフトした例も多い。木下さんや辻希美さんが当てはまるだろう。
一方、鈴木さんはハイテンションキャラ一本でやり抜こうとしていた。彼女だって工場勤務の一般人の彼と結婚し、庶民的な良妻キャラに路線変更することもできたかもしれない。けれども結婚後も体を張って、芸人顔負けのリアクションをとり続けていた。バカというか、バカまじめな人だなあと思う。
おバカキャラさえ平熱を求められる令和 キャラ変できない不器用さに再評価の兆し?
令和のおバカキャラといえば、初期の滝沢カレンさんが挙げられる。でもやっぱり、体温の高さは感じない。不思議な言語感覚で、ぼそっとしゃべって笑いを取る。爪痕を残そうと前に出るわけでもなく、持ち上げられることに面はゆさを感じているような節もあり、一周まわって「賢い」キャラ評価も得た。あんなにうるさがられていたフワちゃんも、最近はややトーンダウンしていないか。「実はマジメ」「実は礼儀正しい」という楽屋話もやたらと表に出るようになった。
テレビで繰り広げられるバカ騒ぎは、見ていると疲れる。なんとなく嘘臭さも感じる。だから正直な発言や、素の反応をする人たちを信じたい。低体温タレント人気は、そんなお茶の間の変化の表れではないだろうか。それならば、キャラ変更が器用にできない性格は、裏表のなさとして再評価される可能性もある。鈴木さんにも再びチャンスが巡ってくるのではないだろうか。
以前マツコ・デラックスさんの番組に出た時、「私みたいなのはもう求められていない」と号泣した鈴木さん。田中みな実さんを目指して体を鍛えているそうだが、写真集のオファーも来たほど美しくなっていた。やろうと決めたことは頑張る粘り強さ、目標に向かってひたむきになれる健気さ。かつての破天荒さは無くなったが、その代わりに見えてきた別の魅力もある。彼女が再びテレビを熱くする日が来るか、少しだけワクワクする。
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