増税の折も折「孫正義」が納税「ゼロ円」のカラクリ 2兆円超の「損金」を発生させ支払い免れる
法の抜け穴
アンパサンド税理士法人の山田典正代表によれば、
「09年度税制改正で、“外国子会社配当益金不算入制度”が導入されました。もともと、海外での利益を日本に還流させるという目論見のもとに始まったのですが、海外子会社からの配当は95%が非課税になった。その制度のおかげで、ソフトバンクGがHDから現物配当された2兆5000億円相当のLTD株は非課税扱いされたわけです」
一方、3兆3000億円という買収価格で簿価計上されていたHDは、2兆5000億円相当のLTD株を手放したため、企業価値は差し引き8000億円にまで目減りした。
「買収価格に比べ、譲渡価格が大幅に下回った結果、ソフトバンクGにはその差額、2兆円を超す損金が発生し、法人税の支払いを免れることができたのです。とはいえ、グループ間で株をグルグルと動かしただけで、実体としては何も変わっていない。“法の抜け穴”を突いた、巧みな節税テクニックとも映ります」
現状、抜け穴に通じた者たちだけが得をする世の中なのである。
「週刊新潮」2019年10月10日号「MONEY」欄の有料版では、ソフトバンクGが駆使した節税テクニックを詳報する。
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