【独自調査】「西友」ハチミツから基準値4倍の「発がん性疑惑農薬」が 避けるべき原産国は?
イエスマンだらけ
07年に重一氏が他界すると、最初に動いたのは信一郎氏だった。信一郎派と禮次郎派の持ち株数は拮抗していたが、信一郎氏の甥のA氏を含む信一郎派の親族全員でギリギリ過半数となることが判明。08年1月の臨時株主総会で禮次郎氏は代表権のない取締役に格下げされ、信一郎氏が経営権を握ったのだ。
「信一郎さんが禮次郎さんを経営から追い出した後、禮次郎さんに近い管理職は辞めてしまったり、冷遇されるようになりました。ただ、信一郎さんは、売り上げが良かった支店の社員の賞与を大幅に増やしたりして、創業者の重一さんに似た優しさがあった。禮次郎さんにはそういった面は全くありません」(先の関係者)
格下げされたことを根に持ち、“逆転”の機会をうかがっていたという禮次郎氏が目を付けたのはA氏だった。人事や待遇面で信一郎氏に不満を抱いていたからだが、最終的には、そのA氏が禮次郎派に寝返ることで“政権交代”が実現した。12年夏の臨時株主総会以降、信一郎氏自身や信一郎派の役員は次々と外され、現在も「禮次郎体制」が続いている。そこに、今回の問題が発覚したわけである。
「禮次郎さんが社長になってから、彼の意に沿わない社員や幹部はほとんど辞めてしまいました。それで周りがイエスマンだらけになってしまったので、今回の問題を“隠蔽”することについても反対する声が出なかったのでしょう。また、問題が報じられた後も、取引先などからの問い合わせに対し、“訴訟中なので答えられない”という対応を取らせているそうです」
と、関係者は続ける。
「禮次郎さんは、グリホサートの残留基準値を超えている商品の存在が分かったことも、お家騒動の一環としてしか見ていないのでしょう。しかし、この問題は単なるお家騒動では収まらない。何といっても消費者の口に入るものですから」
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