日大2億円流出事件、背景に“元タカラジェンヌ愛人”の存在 逮捕された理事の実姉

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父親は愛人関係を肯定

 A子さんに話を聞くことは叶わなかったが、父親に二人の“道ならぬ関係”について尋ねると、

「そうやったんやないの。俺は籔本さんに会うたことはないけど。娘も40歳過ぎてるし、親がガタガタ言うことやないやん。結婚しとったら別やけど……」

 と話し、逮捕当日、二人が一緒だったことについても「聞いてます」とのこと。

 また事件とA子さんの存在は無関係でないと話すのは別の錦秀会関係者だ。

「昨年から今年初めにかけて、大阪国税局が錦秀会に調査に入った。そこで問題視されたのが、籔本さんの交際費。年間で億単位にのぼっていたが、経営する病院などの法人経費として計上していた。そのなかにはA子さんとの海外旅行分なども含まれていたが、それらを国税は“私費で経費に当たらない”と指摘。以来、彼女との関係をこれまで通り継続させるのに支障が出て、新たな資金作りが必要だったとの話もある」

 元横綱・朝青龍のタニマチや人気力士・遠藤関の後援会長なども務めていた籔本だが、その華麗な交遊は政界にも及び、安倍晋三・元首相の“ゴルフ友達”としても知られる。

 しかし永田町で「安倍さん以上に近しい」と囁かれるのが、籔本が結婚式の仲人を務め、直近3年間で900万円近くの献金をしていた自民党の中山泰秀・衆院議員である。

 その中山氏の話。

「事件の一報を聞いた時はサプライズの一言でした。以前、籔本先生が“日大が困ってるんや”と話されていて、なんでも病院経営のノウハウの提供を田中理事長などから請われていたそうです。籔本先生のことは人間として尊敬しており、いまも“ハメられたのでは?”との思いが拭えない」

 籔本は取り調べで、流出資金のうち1億円を受領し、クレジットカードの支払いなどに充てたことを認めた一方で、違法性は否認。しかし「早い段階から資金流出のスキームを井ノ口容疑者から説明されていた」(前出・デスク)という。

 事件の闇の奥底はまだ見えていない。

週刊新潮 2021年10月21日号掲載

ワイド特集「解散のカードを切る時」より

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