新政権で干された「河野太郎」「小泉進次郎」 総選挙の注目ポイントは?
出来レースの公募
だが当時、菅前総理は復党に否定的で、
「そこで今回、党の副総裁に就いたタイミングで再び、復党させようと甘利明幹事長(72)に働きかけていました。情に厚い選対委員長の遠藤利明さんは麻生さんと岸田さんの関係をよくすることが政権安定につながると考え、“何とかしてやりたい”と公示直前のどさくさに紛れて党に復帰させようとしていたのです」(同)
だが、そんなことをすれば、世論の反発は必至。
松本氏の地元である自民党神奈川県連幹部も、
「県連として復党は一切認めない。世間を騒がせたんだから禊(みそぎ)が必要ですよ。甘利さんだって政治とカネの問題でまた騒がれているのに、松本さんのことを蒸し返したら県連だけでなく、自民党全体に響く話ですよ」
と憤慨する。党内に警戒感が充満する中、結局、11日に銀座3兄弟は復党しないことが決まったが、それを差配する甘利幹事長はとある女性候補に異様に肩入れしているそうだから、同じ穴のムジナというほかあるまい。
「正直、甘利さんがなぜ彼女にあれほど力を入れるのか理解しがたいです」
と、声を潜めるのは自民党大分県連関係者。
甘利氏がゾッコンなのは、大分1区から出馬する予定の高橋舞子候補(33)だ。上智大学卒業後、松下政経塾にも在籍していた高橋氏は、時事通信、ブルームバーグでの記者職を経て、一昨年6月、自民党大分県連の公募で選ばれ、正式に候補者となった。
「実は県連での選考前に甘利さんから県連に対し、強烈な推薦がありました。記者時代にかわいがっていたそうで、公募という形式になっているけれども、実際には最初から出来レースだったんです。候補者となってからも甘利さんは、大分に大きな工場を持つキヤノンの御手洗冨士夫会長に高橋さんを紹介、高橋さんが上京する際の交通費も負担するなど、破格の待遇で面倒を見ています」(同)
ご執心ぶりが際立つが、その高橋氏、地元で総スカンだと、関係者が続ける。
「自分の思い通りにならないと何かにつけて“甘利先生だったら……”とチラつかせるし、演説原稿は覚えず、ポロシャツにジーンズ姿で会合に現れるなど、常識はずれの行動ばかりが目立ちます。挙句の果てに、4年制の松下政経塾をこれまでさも卒塾したかのようにふるまっていたのに、わずか1年で退塾していたことが明らかになりました。地元の自民党支持者の間に“応援できない”という動きが広がっています」
甘利事務所に高橋氏との関係を聞くと書面で、
「公認候補のみなさんが当選され国家国民のために働けるようにすることが幹事長としての職責であると考えております」
と、回答を寄せた。
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