やさぐれ芸人「ヒコロヒー」の存在感 女優業も高評価でフワちゃんも戦々恐々

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落研だった大学時代

「ヒコロヒーさんの鉄板トークに、女性芸人の生きづらさをネタにしたものがあります。『楽屋でセクハラされた』とか『男性芸人より女性芸人は雑に扱われる』といった内容です。取っかかりには愚痴の要素もあるのですが、それがオチに向かっていく途中で指摘が厳しくなっていきます。最後には文字通りの毒舌で、男性芸人を切って捨てて終わりです。女性芸人が男性芸人に対して対等な立場でモノを申すのが新鮮で、その辺りが人気の理由でしょう」(同・スタッフ)

 テレビ業界には「佐久間・加地の両プロデューサーが評価した芸人は売れる」という定説があるのだという。他番組からの出演依頼が相次ぎ、ヒコロヒーの人気が上昇気流に乗ったというわけだ。

 ヒコロヒーは1989年10月、愛媛県に生まれた。もともと芸人を目指していたわけではなく、高校3年生になると就職活動を始め、ガソリンスタンドの社員として内定を得ていたという。

 ところが、親に大学受験を懇願され、近畿大学文芸学部芸術学科だけを受験して合格。お笑いは大好きだったので、大学では落語研究会に所属していた。それでもプロになるつもりは全くなかったとインタビューでは答えている。

「借金芸人」人気

 大学2年生の大学祭でコントを披露すると、彼女に才能を感じ取った芸能事務所・松竹芸能のマネージャーがスカウト。そのまま特待生で同社の養成所に入った。大阪で地道にコントを披露するうちに学業との両立が不可能になり、近大は中退している。

 経歴だけを見ると、お笑いの“エリートコース”を順調に歩んできた印象だ。しかし、ヒコロヒーが注目を集めたのは“やさぐれ芸人”としてだった。

「愚痴や毒舌も、ご本人が真面目なタイプだと洒落になりません。ヒコロヒーさんが芸人仲間を厳しく糾弾しても笑えるのは、借金を抱えていたり遅刻魔だったりと、“クズ芸人”のキャラクターも持っているからです」(同・スタッフ)

 近年、男女を問わず“クズ芸人”が人気だ。例えば、ピン芸人の岡野陽一(39)は、パチンコや競馬などに血道を上げ、1000万円を超える借金を背負っている。

 借りる相手が全部友人というのは、トーク番組における岡野の鉄板ネタだ。「必ず返す、嘘をつかない、債権者様への感謝を忘れない」という“借金三原則”に笑った視聴者も多いだろう。

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