国際ロマンス詐欺で不良トルコ人が台頭 被害女性は「今も彼の気持ちは嘘だと思えません」

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難民を巻き込んで

 近年、外国人男性が日本人女性から金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」が話題になっている。出会い系サイトなどで日本人女性と知り合い、メールや電話で恋人や婚約者になったかのように振る舞って、金銭を送金させる振り込め詐欺の一形態だ。コロナ禍で海外旅行もままならず、外国人との恋愛や結婚に憧れる日本人女性がSNSを活用して外国人との出会いを求めることも多く、詐欺被害に遭う女性も相次いでいるという。

 このロマンス詐欺に最近、よく登場するようになったのが、トルコ人だ。「中東情勢が不安定になり、来日するトルコ人が増えていることも一因になっている」と話すのは、ロマンス詐欺に詳しい警視庁関係者だ。

「これまでロマンス詐欺で立件されていたのは、ナイジェリアやガーナ国籍の外国人が多かったのですが、この1年あまりでトルコ人の犯罪が増加しています。2014年からエルドアンが大統領に就任すると、政府に迫害され日本に逃れてくるトルコ国籍のクルド人が増えてきました。もちろん、すべてがクルド人の犯行ということではありません。真面目に暮らしているクルド人がほとんどです。しかし、日本で難民申請をしてもなかなか認められず、仕事に就くこともできないので、どうしてもドロップアウトして不良化する者が出てきます。トルコ人は日本最大のイスラム教モスクのある東京・渋谷区や、クルド難民が数多く住む埼玉県川口市や蕨市、上野や浅草などでもコミュニティを形成しており、トルコ人の不良グループは生活に困る難民などを巻き込んで、手っ取り早く金を得る方法としてロマンス詐欺を行っています」

トルコ人の顔が好き

 約3000万人いるとされるクルド人は「国を持たない最大の民族」と言われ、トルコ、シリア、イラク、イランなどにまたがって暮らしている。トルコではクルド語が禁じられるなど、長年にわたって弾圧を受けており、分離独立を求めてクルド人はトルコ軍と衝突を繰り返してきた。エルドアン大統領は、彼らを「テロ組織」とみなし弾圧を強めているのだ。実際、ロマンス詐欺に関わるクルド人は、私にこう語った。

「トルコに戻ったら死ぬしかない。同じトルコ人でも、民族によって差別される。だったら、どんな日本人の女でも相手する。日本人の女、私を可哀想に見てる。下に見てる。だから金を出す。あなたに、オレの気持ちが分かるか」

 険しい表情で言葉を絞り出すように話す男性には、クルド人としての苦悩が見られた。一方、クルド人ではないトルコ人不良グループの中心的な存在の男性は、

「アプリに登録している日本人の女どもに、愛してるって言うだけでいい。実際に会うこともあるし、メールだけでやり取りして金だけ振り込ませることもある。俺は金に困ってる。トルコ人はビザなしで90日まで滞在できる。だから、その間に日本人の女性を口説き落とせばいい。日本人の女はトルコ人の顔が好きで、だましやすい。結婚すれば日本にいられる。女もハッピー。悪いことじゃない」

 と、あっけらかんと語る。

「被害に遭った日本人女性は、トルコ人は妖艶でエキゾチックな顔立ちが魅力で、甘い言葉を囁かれると好きになってしまった、と話していました。彼女たちの母性や同情心につけ込んで、『軍隊を辞めたいけど、やめられない』『家族が病気で大金が必要だ』などと言葉巧みに訴えて、お金を振り込ませるんです」(前出の警察関係者)

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