元公安警察官は見た 外務省官僚を震え上がらせた中国人「仲間由紀恵似スパイ」の素性
日本の公安警察は、アメリカのCIAやFBIのように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。この9月『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、ロシアと中国のハニートラップについて聞いた。
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スパイ映画では、よくハニートラップが出てくる。ハニートラップとは、主に女性スパイが色仕掛けで行う諜報活動のことだ。
「日本の公安警察が、ハニートラップを仕掛けることはありません」
と語るのは、勝丸氏。
「その理由は簡単で、費用対効果が悪すぎるからです。女性の公安捜査員はごく普通の容姿の人ばかりです。痩せすぎず、太り過ぎずで、目立ちません。映画に出てくるような絶世の美女やナイスバディの女性は人の記憶に残りやすいので、公安には向いていません」
しかし、海外の諜報機関は、今でもハニートラップによる情報収集しているという。アメリカや韓国も使っているそうだが、特にロシアと中国のハニートラップは有名だという。
アンナ・チャップマン
「東西冷戦時代には、主にヨーロッパで旧ソ連の美人スパイが暗躍していました。性的な羞恥心を取り去るため、彼女たちは、訓練所で全裸のまま生活させられ、同僚の男性と肉体関係を結ばされたりしていたと言います。」
最近のロシアの女スパイはどうか。
「“美しすぎるスパイ”と言われたアンナ・チャップマンが有名です。彼女はSVR(ロシア対外情報庁)の要員として訓練を受け、2010年2月、アメリカに入国しました。表の顔は不動産会社のCEOで、裏ではアメリカの核弾頭開発計画の情報を色仕掛けで収集していました。ところがその年の6月、FBI(連邦捜査局)のおとり捜査員が接近したところ、彼女は2日以内にロシアへ逃亡する意志を示したので検挙しました。検挙後、彼女はロシアへ帰国したのです」
日本で、ロシアの女スパイは活動しているのか。
「日本には、ロシアの女スパイはほとんど潜入していません。シャラポワみたいな美人が寄ってきたら、日本人はかえって警戒するでしょう。尻込みしてしまい、色仕掛けにはかからないんです」
日本で積極的にハニートラップを仕掛けているのは中国だという。
「中国は、ロシアのように訓練した女スパイを派遣しているわけではありません。日本には、中国人留学生のコミュニティがありますが、そこからハニートラップが出来そうな素人女性を中国大使館がスカウトしていると言われています」
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