巨人10連敗で思い出す川上監督の言葉 CS出場逃せば原監督の責任問題浮上【柴田勲のセブンアイズ】
巨人史上4度目の2ケタ連敗
巨人の失速が止まらない。16日の広島戦(東京ドーム)に敗れて10連敗だ。巨人史上4度目の2ケタ連敗だから、これはもう歴史的と言ってもいいだろう。(※1)
現役時代に11連敗を経験した。1975(昭和50)年だ。この年は長嶋(茂雄)さんの監督就任1年目で勝率も4割に達せず、球団史上初の最下位に沈んだ。この時のことを思い出してしまった。
16日は8点のビハインドから終盤に追い上げた。7回に広島先発・森下暢仁を攻めて一気に5点を返し、9回には抑えの栗林良吏から2点を奪って1点差にまで迫った。だが2死二塁で中田翔が空振り三振に倒れた。まあ、あそこまでだなという感じだった。いまの巨人に逆転する底力はない。
連敗中は貧打に泣いてきたけど、15日のヤクルト戦(神宮)で11安打を放って7得点、そして16日も11安打で7得点、2戦連続で2ケタ安打だったものの、今度は戸郷翔征、高橋優貴の先発投手が中盤までに崩れた。両試合とも7対8の1点差だった。
広島に与えたCS出場の目標
なにをやってもうまくいかない。どん底で手の打ちようがない。ヤクルト、阪神と三つ巴の優勝争いをしてきたチームとは思えない。12戦勝ちなしだ。
4位の広島が猛追してきた。巨人とは最大15ゲーム差あったが2.5ゲーム差まで接近した。直近10試合で9勝1敗、勢いが違う。前半は悪かった分、後半が良くなる。勝負事にはよくあることだ。それにしても巨人の失速が広島にクライマックス・シリーズ出場の目標を与えた。残り試合数も広島が巨人より3試合多いのも発奮材料だ。
巨人、尻に火が付いた格好(※2)だが、慌てることはない。まだまだ有利だ。CS出場は大丈夫と見ている。
前回の今コラムで記したが、巨人は3年契約の切れる原辰徳監督の続投で来季の監督人事を進めていると思う。次期監督候補の阿部慎之助にとっても1年は勉強できる。
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