日曜劇場「日本沈没」が好スタートの理由 他のドラマとますます開く製作費格差

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「日曜劇場」のカネ

 次に「日曜劇場」の強さの理由を書きたい。それを書く時、カネの話は避けて通れない。「日本沈没」もそう。カネがあるから、たしかな演技力のある豪華キャストを大勢そろえられる。人間ドラマは演技力のある役者たちでやらないと面白くならない。

 小栗旬は2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に主演することが決まっている。脂がのりきっている。うまい人だ。

 天海の友人で経産官僚・常盤紘一を演じているのは松山ケンイチ(36)。こちらも2012年の大河「平清盛」に主演している。やはり実力派である。

 さらに、沈没の危機を予言するのが、日本地球物理学会のアウトサイダー・田所。演じている香川は「半沢直樹」(2013年、2020年)など「日曜劇場」に11回も出演。この人も名優で登場すると視聴者が飛びつく。

 ほかに首相の東山役で仲村トオル(56)、副総理兼財務相の里城弦役で石橋蓮司(80)、官房長官・長沼周也役で杉本哲太(56)が出演。いずれも主演級、準主演級である。

 さらに田所と反目する東大教授・世良徹役で國村隼(65)、環境問題のスクープを追う「サンデー毎朝」の記者・椎名実梨役で杏(35)、天海の妻・香織役で比嘉愛未(35)、外務官僚・相原美鈴役で中村アン(34)が出演。10月期ドラマで一番の豪華キャストであるのは間違いない。

錚々たるスポンサー、そして世界配信

 制作費は各局とも秘中の秘だが、「日曜劇場」の場合、他局や同じTBSのドラマの2倍以上あるとされている。となると、通常は3000万円台だから、6000万円台以上。誰がカネを出しているかというと、大半はスポンサーだ。

「日曜劇場」のスポンサーは花王、サントリー、日本生命、SUBARUと大手ばかり。視聴率も作品のイメージもいいから、よそのドラマ以上に応援してくれている。

「さらに、日曜劇場の作品は人気作になることが予想できるから、動画配信やDVDの利益を見込んだ上で制作費を投じられる」(TBSドラマ関係者)

 また、「日本沈没」から、TBSはNetflixと新たに契約を結び、放送開始から3時間後に世界配信することが決まった。

 これによって入る利益も制作費に上乗せされるはず。ほかのドラマとの制作費格差は開くばかりだ。

 制作費の違いが表れるのは出演陣ばかりではない。CGを使った海中や静岡県の日之島が沈むシーンも不自然さが全くなかった。やはりカネはあるに越したことはない。

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