岸田総理が沖縄入りへ なんとか安倍・菅時代との違いを…応援演説の先に待つ試練
岸田文雄総理が沖縄入りする予定を立てていることが独自取材で分かった。来週19日に始まる選挙戦で自民党候補を応援するもので、那覇などで街頭演説に臨む。総理大臣が国政選挙の応援で沖縄入りするのは2013年の参院選以来、8年ぶりである。【武田一顕/ジャーナリスト】
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沖縄で苦戦続きの自民党
沖縄での選挙は自民党の苦戦が続いている。
国政選挙に6連勝して政権基盤を盤石にしていた安倍晋三も、沖縄だけは例外だった。2014年の衆院選で沖縄の小選挙区当選はゼロ。もっとも、これに先立つ2012年の総裁選時、候補の一人だった安倍は那覇市内で街頭演説したが、沖縄の問題には一言も触れなかった。「安倍さんは沖縄にまったく関心がない」(沖縄県自民党関係者)と思わせるような態度では、県民の心を掴むことはできなかったのだろう。
ましてや、官房長官として名護市辺野古への基地移設を強引に進め、沖縄基地負担軽減担当大臣を兼務しつつも住民の声に耳を傾けなかった菅は、県民の反感を買いまくった。県内からは「菅さんは沖縄を蹂躙している」という声まで上がっていた。
一方、岸田は2007年の第一次安倍内閣で沖縄北方担当大臣として初入閣。在任中は離島を含め何度も訪沖し、沖縄の方言で「おしゃべり」を意味する「ゆんたく会議」を開いて、現地の人々と語らってきた。岸田が提唱している車座対話の走りだ。その岸田が率いる今回の総選挙では、沖縄をめぐる情勢も変化しようとしている。
注目は「1区」
まず4区では、岸田内閣に沖縄北方担当、復興担当大臣として入閣した西銘恒三郎が有利に戦いを進め、当選する見通し。
2区と3区はオール沖縄と呼ばれる社民、立憲の牙城を自民候補は崩せず、それぞれの野党候補が頭一つ抜け出していて、議席を確保すると見られている。
注目は那覇を中心とする1区だ。10月16日現在の立候補予定者は次の通り。
赤嶺政賢(73) 共産
国場幸之助(48) 自民
下地幹郎(60) 無所属
沖縄1区は小選挙区で共産党が議席を獲得している珍しい選挙区で、今回の選挙でも立憲民主党は候補の擁立を見送っている。先頭を走る前職の赤嶺を自民比例当選の国場が激しく追い上げる展開だが、注目すべきは無所属の下地だ。自民党で初当選したが、その後離党。国民新党や維新を転々と渡り歩き、前回選挙では維新で比例復活当選している。しかしIR問題で下地事務所職員が中国企業側から現金100万円を受け取っていたことを報告書に記載せず、昨年、維新からも除名された。そんな下地は14日、選挙への出馬を宣言したが、票は全く伸びていない。では、なぜ注目なのか? 読み解く鍵は、地元で広がるこんな声だ。「出馬宣言しても、下地さんは実際には出馬しないのではないか」。
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