【真犯人フラグ】全員怪しさ満載…初回放送でわかった真相解明のポイントを解説
日本テレビのミステリードラマ「真犯人フラグ」(日曜午後10時半)が始まった。10日放送の初回の視聴率は世帯8.4%、個人全体4.7%だった。同じ秋元康氏(63)が企画・原案を担当し、制作チームも一緒の同局「あなたの番です」(2019年)が最終回で世帯19.4%を記録したことを考えると、関係者はやや物足りなかったのではないか。それには理由がありそうだ(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)
「あな番」も初回は世帯8.3%だったが、それは視聴者が秋元ドラマの醍醐味を知る前のこと。また、好みの問題はあるものの、ストーリーの仕上がり具合はSNS問題などを取り込んだ「真犯人フラグ」のほうが上だ。
出演陣も西島秀俊(50)、宮沢りえ(48)ら豪華版。にもかかわらず、どうして視聴率は平凡だったのか。最大の理由はフジテレビのアニメ「『鬼滅の刃』無限列車編」(日曜午後11時15分)の初回と重なったからだ。
「真犯人フラグ」の終盤10分と「鬼滅の刃」の冒頭10分がかぶった。普通なら、ミステリードラマを見ていた人が途中でチャンネルを変えるようなことはないが、「鬼滅の刃」は別格だ。
「鬼滅の刃」の視聴率は世帯10.0%、個人全体5.7%。翌日から学校や仕事が始まる日曜の深夜帯であることを考えると、驚異的である。
おまけに若い視聴者の支持が表れるコア視聴率(13~49歳)は10月第1週(4~10日)の全番組中、2位だった。「真犯人フラグ」もメーンターゲットは比較的若い層だろうから、これは痛い。
秋元ドラマ、Huluへの警戒
秋元ドラマへの懐疑も理由ではないか。「あな番」は面白かったものの、終盤になるに連れ、展開が強引になってしまった。
もっと無理押しした秋元ドラマが、今年7月期の斎藤工(40)の主演作「漂着者」(テレビ朝日)。謎が解明されず、伏線も回収されぬまま、最終回のラストで「Season1 終」というテロップが出た。Season2があるという告知は事前になかった。
日テレの日曜午後10時半という放送枠が弱くなってしまったのも関係しているはずだ。9月12日放送された前作「ボクの殺意が恋をした」の最終回は世帯5.4%、個人全体3.0%と伸び悩んだ。「あな番」以来、この放送枠は大ヒットに恵まれていない。
もう1つ、日テレのHulu商法への警戒心もあるはず。Huluは2014年に日テレが傘下に収めた動画配信サービス。民放各局はCM収入が頭打ちだから、そろって動画配信に力を入れている。
だが、Huluの場合、とりわけ視聴者の反発が目に付く。1月期の竹内涼真(28)の主演作「君と世界が終わる日に」の「Season2」をHuluでやると告知された時も一斉に不満の声が上がった。「真犯人フラグ」も「続きはHuluで」という誘導を危惧しているのだろう。
「真犯人フラグ」が放送ですべて完結するのであるなら、それを告知したほうが良い気がする。
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