日テレは「絶対勝ちたい」執念が薄れたか? テレ朝が10月第1週で3冠獲得
レギュラー番組を守れなかった
「長年、3冠王を取り続け、『数字を取りたい、他局に負けたくない』という執念が薄れてきたのかもしれません。『鬼滅の刃』の放映権をフジテレビに奪われたのも、日テレがもらったも同然と油断したからでしょう。『東京2020オリンピック閉会式』(NHK総合)のウラで、漫然と『イッテQ』や『行列』をレギュラーで組んで臨んだのも、そのせいでしょう」
46・7%を取った「五輪閉会式」のウラで、何を放送しようと勝てることなどないのでは?
「その通りです。しかし、『五輪』をぶっ飛ばす特番を作れと言われれば、スタッフの士気も上がりますし、新たな企画も生まれたかもしれない。何より、人気レギュラー番組を傷つけないため、特番を編成すべきだったのです」
ハングリー精神がなくなったということだろうか。
「古い話になりますが、日テレが初めて3冠をフジテレビから奪った94年とはずいぶん変わりました。あの年、年末特番期を前に、編成局長が特番のプロデューサーや演出たちを秘密裏に集めました。当時、日テレはフジテレビを猛追していて、もう一息というところでしたが、編成局長はこう言ったそうです」
CMを入れるな
《プライムは大丈夫だ! ゴールデンでフジに0・1%負けている。同率でいいから追いつきたい。21~23時の特番をつくる人は、21~22時にCMを入れないように!》
「ゴールデン帯の数字を上げたいからCMを入れるな、というわけです。その場にいた人たちは耳を疑ったそうです。スポンサーに怒られますからね。でも当時の日テレは、3冠を取るほうが大事、執念があったんです」
日テレはこの年の4月改編で、改編率49・2%という大改編を行っていた。そんな中、4月16日に、安達祐実が主演する“同情するなら金をくれ!”で大ヒット(最高視聴率37・2%)した「家なき子」がスタートし、同日に明石家さんまの恋愛トークバラエティ「恋のから騒ぎ」も始まった。ドラマもバラエティも活気づいていた。
「タイムテーブルも徹底的に研究し、8時からの番組を19時57分スタートにするなど“フライングスタート”を始めたことも効果的でした。それでも、最後の最後までもつれ込み、12月31日の大晦日にゴールデンでようやく同率に追いついた」
それが「ダウンタウンの裏番組をブッ飛ばせ!!」だった。
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