くちづけで10億個の細菌が交換される? 人の9割は細菌? 奥深過ぎる「細菌」の世界
「細菌」と聞いて何を思い浮かべるだろうか? 不潔と感じる人もいるだろうが、腸内の細菌を多様に保つための「腸活」も一般化しつつあり、近年は母乳を通じて子どもに受け渡される免疫抗体に腸内細菌が関係していたり、不治の病とされるパーキンソン病も腸内細菌の働きが影響している、という説も語られている。健康を語る上で、細菌を通らずにはいられないのだ。
そもそもヒトの体には大量の細菌が存在する。医療・医学の最前線の取材を重ねてきた在イギリスのノンフィクション・ライターであるビル・ブライソンの『人体大全―なぜ生まれ、死ぬその日まで無意識に動き続けられるのか―』(桐谷知未訳)を紐解くと、人がいかに細菌に依存して生きているかがわかる。...